こんにちは!
岩手県盛岡市のマモインプラントクリニックマリオスの理事長高橋衛です。
インビザラインでの治療は、ワイヤー治療よりも強制力が弱いため、症状によっては使えない場合も多いと聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
インビザラインでの歯科矯正を希望して歯科医院に言った所、
『インビザラインでは矯正は行えない』と断られた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かにこれまで、インビザライン治療は、非抜歯で行うような軽度な矯正治療のための装置と思われてきましたし、対応できない症例もありました。
しかし、インビザライン治療は、まだまだ新しい治療方法で、これまでに、ものすごいスピードで進化して来ました。
従来は、永久歯に対する治療が前提であった為、子供の治療に資料することが難しかったインビザラインも、2019年の3月には、子ども用インビザラインのインビザライン・ファーストでの治療が開始されるなど、様々な症例に症例にも対応できる様になってきました。
抜歯症例に対応できるようになったインビザライン
従来、マウスピース型の矯正装置は抜歯が必要な矯正には適さないと言われてきました。
理由は、それはマウスピース型の矯正装置は、歯を前後の方向に動かすことには不向きであったからです。
しかし、現在のインビザライン治療では、過去に不可能であった多くの症例に対応出来るようになってきています。
これまで不可能だった症例に対応出来るようになった理由として、材質の改良があります。
インビザラインはポリウレタンという素材で作られています。
従来のマウスピース型の装置の素材よりも粘弾性があり、歯との適合が良くなりました。
この素材の粘弾性により、歯を前後により動かせるようになりました。
そのため、抜歯症例にも対応出来るようになってきました。
抜歯が必要な理由
歯の矯正において、歯を抜かずに矯正を行えれば、それに越したことは無いですが、やはり抜歯が必要なケースもあります。
矯正歯列矯正を行う際に抜歯を行う理由は、歯が並ぶスペーズを確保するためです。
抜歯と言っても、闇雲に抜くわけではなく抜く可能性のある歯は殆ど決まっています。
矯正で主に抜く可能性のある歯は、第一小臼歯(しょうきゅうし)です。
小臼歯は、犬歯の次にある歯でで、上下の咬み合わせを決める役割があります。
『かみ合わせを決める歯を抜いても大丈夫なの?』
と思われるかもしれませんが、
矯正時の抜歯の際に、小臼歯を抜く理由はいくつかあります。
まず、歯列の中央にあるため治療がしやすくなるという点です。
次に、他の歯に比べて抜歯の影響が少ないという点です。
小臼歯には、第一小臼歯と、第二大臼歯があり、どちらかを抜いても、本来の小臼歯の役割としての噛み合わせに大きな影響はないとされているためです。
インビザラインとワイヤー治療の併用
現在では、インビザラインでの治療が可能な症例も増えてきていて、インビザラインで治療ができないケースはほとんどなくなってきました。
しかし、どうしてもインビザラインのみでの治療が難しい場合は、ワイヤー治療との併用という方法もあります。
その場合、はじめにホワイトワイヤーを使って、歯を動かします。
その後に、インビザラインでの治療を行うことで治療の短縮にも繋がります。
ホワイトワイヤーとは
装置(ブラケット)とワイヤーを白くコーティングした矯正装置で、従来のメタルブラケットよりも、格段に目立たなくなっています。
ホワイトワイヤーを使用することにより、インビザラインを行う前の段階のブラケット治療も、可能な限り目立たないように治療することが可能です。
部分的にワイヤーを用いるケース
前項のワイヤー治療のあとに、インビザラインでの治療を行う方法の他に、マウスピース矯正治療専用に開発されたワイヤーを部分的に歯の裏側につけて、インビザライン治療を行う方法もあります。
このブラケットは、従来のものよりも厚みも薄くなっており、また、歯の裏側につける為、表から目立つことはありません。
まとめ
インビザラインを始めとするマウスピース治療は、抜歯を必要とするような重度の症例には不向きと言われてきました。
しかし、2006年に、日本でインビザラインでの治療が開始されて以来、十数年が経過し、データの蓄積や、精度の向上、素材の進化などにより、インビザラインは大きく進化してきました。
現在では、インビザラインで治療が不可能な症状はかなり少なくなってきています。
もし、以前にインビザラインでの治療を断られ、ワイヤー治療を進められて、矯正を諦めてしまった方も、現在であれば状況が変わっていることもあります。
再度歯科医院に足を運び、カウンセリングを受けて見る価値は十分にあると思います。
ただし、難症例をインビザラインで治療する場合には、難しい治療であることは間違いないため、インビザラインでの治療を積極的に行い、症例経験の豊富な矯正歯科へご相談されることをオススメします。