インプラント

オールオン4のメリットデメリット|違和感がある場合の原因と対策

投稿日:2022年12月5日 更新日:

インプラント治療の一つである「オールオン4」についてご存じですか?

この記事では「オールオン4の違和感」について解説します。

結論、オールオン4の違和感は改善可能です。

違和感がある場合は、必ず何かしらの原因があるので、どのような原因があるのか、考えられるいくつかを解説します。

その他にも「オールオン4の特徴」や「オールオン4のメリットデメリット」についても解説するので、インプラントを検討している人は、参考にしてください。

オールオン4の3つの特徴

オールオン4の3つの特徴

オールオン4は、すべての歯を失った場合に入れられるインプラント治療です。

優れた性能を持っており、メリットが多くあります。

しかし、実際の構造などについては知らない人の方が多いのではないでしょうか。

以下では、オールオン4の特徴や構造について解説します。

オールオン4ではインプラントを4つ埋め込む

オールオン4とは、名前のとおり4本のインプラントを埋め込みます。

基本的なインプラント治療は、1本のインプラントです。

また、基本的なインプラントは人工歯である一方で、オールオン4は1つの入れ歯のような補綴物(ほてつぶつ)を装着します。

4本のインプラント体により、入れ歯全体を支えるような形になるのが、オールオン4です。

歯茎もついている

歯茎もついている

オールオン4には、総入れ歯のような歯茎もついています。

一般的なインプラントは人工歯を入れるだけで、歯茎のような部分はついていません。

オールオン4の上部構造には12本の人工歯が設置されており、その周りにピンク色の歯茎に似せた構造がついています。

ただし、オールオン4には義歯床(ぎししょう)と呼ばれる口腔粘膜の設置部分が存在しないため、シンプルな形態となっています。

ネジで固定する

オールオン4は、顎の骨に埋入されているインプラント体とネジによって固定されています。

総入れ歯のような義歯床がないため、ネジで固定しなければいけないのです。

このネジは家具などに使われているものと同じ仕組みであるため、不具合が生じた際には取り外すことができます。

ただし、患者さん自身で取り外せるわけではありません。

取り外せるのは、あくまで歯科医師のみです。

オールオン4と総入れ歯との違い

オールオン4と総入れ歯との違い

オールオン4と総入れ歯の大きな違いは、歯根の有無です。

オールオン4は顎の骨に人工歯根があり、総入れ歯には歯根がありません。

歯根のない総入れ歯では、食事の際に噛みにくさを感じたり、上手く喋れなかったりします。

人工歯根のあるオールオン4は、しっかり食べ物を噛むことができ、発音などの障害も起きにくいです。

オールオン4多くのメリット

オールオン4と総入れ歯との違い

オールオン4は、メリットの多いインプラント治療です。

似た形の総入れ歯と比べて、6つのメリットがあります。

  • 噛みやすい
  • 違和感が少ない
  • 痛みが出にくい
  • 外れない
  • 歯が入るまで短期間
  • 顎の骨が弱くならない

以下で、オールオン4のメリットについて具体的に解説するので、総入れ歯とオールオン4で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

噛みやすい

オールオン4は、総入れ歯と比べて、しっかり噛める構造です。

顎の骨に埋め込まれたインプラントが人工歯をしっかり固定するので、顎に直接刺激が伝わります。

天然の歯に近い構造なので、違和感なく食事を楽しめるでしょう。

対して総入れ歯は、天然歯に比べて2~3割の咀嚼(そしゃく)能力と言われているので、総入れ歯と比べると噛み心地の差は圧倒的です。

違和感が少ない

違和感が少ない

オールオン4は、基本的に違和感の少ない人工歯です。

総入れ歯の場合は歯茎や粘膜を覆うために違和感が強く、吐き気を催してしまう人も多い傾向にあります。

また、慣れないうちは活舌が悪くなり、上手く喋ることもできません。

オールオン4は歯茎を覆うことがなく違和感も少なので、吐き気を催したり発音に支障がでたりすることがないのです。

痛みが出にくい

オールオン4は、歯茎を覆う構造ではないため、痛みが出にくい構造です。

総入れ歯は入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まるケースがあり、痛みを引き起こす可能性があります。

オールオン4は天然歯に近い構造で歯をとりつけるため、総入れ歯のような痛みを引き起こす心配がないのです。

もしもオールオン4で痛みを感じるようであれば、治療段階において何かしらの原因があると考えられるので、一度歯科クリニックで見てもらいましょう。

外れない

オールオン4と総入れ歯を比べた際の大きなメリットは、外れない点です。

総入れ歯は、外れたり落ちたりする可能性があるため、安心して使用できないでしょう。

また、落ちたり外れたりしてしまうと、衛生面でも決して良いとは言えません。

一方でオールオン4は人工歯で固定されているので、外れる心配がないのです。

どんなシーンにおいても、安心して歯を使えます。

歯が入るまで短期間

歯が入るまで短期間

オールオン4は、短期間で人工歯を手に入れられます。

インプラントを埋め込めば、その日のうちに人工歯を入れられるのです。

対して総入れ歯の場合は、治療を開始してから歯が入るまでに最低1カ月程度はかかります。

最短でも1カ月なので、2カ月近く歯が無い状態になる可能性もあります。

顎の骨が弱くならない

オールオン4は、顎の骨が弱くならないメリットがあります。

歯根があるため、顎に直接刺激を伝えられるからです。

顎の骨が弱くならず、顔のハリなども保てます。

一方で総入れ歯は、顎を使わなくなってしまうため、骨が痩せやすいです。

見た目の若々しさをキープする点でも、オールオン4は長けています。

オールオン4のデメリット

オールオン4のデメリット

メリットの多いオールオン4ですが、デメリットもあります。

ただし、メリットと比べてデメリットは少ないです。

  • 手術が必要
  • 適用できないケースがある
  • 保険適用外

オールオン4に不安を感じている人は、デメリットも理解した上で検討しましょう。

以下で、オールオン4のデメリットについて具体的に解説します。

手術が必要

手術が必要

オールオン4は、インプラントを埋めなければいけないため、手術が必要です。

手術は基本的に当日で完了します。

手術の流れは、以下のとおりです。

  1. 初診……口腔内検査・レントゲン検査・治療法や費用などの説明
  2. 型取り……手術当日に義歯を作るための型取り(必要に応じて2回行う可能性有り)
  3. 手術……麻酔を使いインプラント植立後、義歯を入れます
  4. 第一調整……噛み合わせの調整と消毒
  5. 抜歯……手術から10日前後で抜歯
  6. 第二調整……必要に応じて義歯の調整
  7. 最終型取り……約6カ月後に最終的な型取り
  8. 義歯のセット……最終型取りから3~4週間で義歯を装着

また、オールオン4の手術の手順は、以下のとおりです。

  1. 切開……歯肉を切開して剥離し、ドリルで顎の骨に穴を開ける
  2. 埋入の穴を開ける……インプラントを埋入するための穴を開ける
  3. インプラント埋入……適切なインプラントを選択肢て、埋入する
  4. アバットメント装着……インプラントを埋入してアバットメントを装着
  5. 歯型採り……歯肉を戻して縫合し、人工歯を作るための型取りを行う
  6. 仮歯の装着……手術当日に仮歯を装着

手術に対して不安や疑問点がある場合は、オールオン4を検討しているクリニックに相談してみましょう。

適用できないケースがある

総入れ歯はどんなケースにおいても対応可能ですが、オールオン4(インプラント)に関しては、適用できないケースもあります。

適用できないケースは、主に以下のような場合です。

  • 歯が残っている
  • 顎の骨が弱っている
  • 妊娠中
  • 全身疾患や持病がある
  • 虫歯や歯周病がある

ただし、どのケースにおいても、完全にインプラント治療ができないわけではありません。

クリニックによって対応は異なるので、治療を検討しているクリニックと相談しておきましょう。

保険適用外

オールオン4(インプラント)は保険適用外の治療です。

そのため、費用が高額になります。

対して総入れ歯は保険適用内であるため、患者さんの費用負担が少ないです。

費用相場は、片あごで約200~400万円。

ただし、1本1本インプラントを入れる治療よりも費用を抑えられます。

オールオン4で違和感がある場合の原因

オールオン4で違和感がある場合の原因

オールオン4で違和感が出た場合は、何かしらの原因があると考えられます。

違和感の原因のほとんどは、インプラント手術によるものです。

考えられる原因は、以下の4つ。

  • 位置・角度・深さのズレ
  • 骨と結合していない
  • インプラント周囲炎
  • 白すぎる歯を選んでいる

以下で、「なぜ違和感が出てしまうのか」について、具体的に解説します。

位置・角度・深さのズレ

インプラント治療を行う歯科医師の技術が低いと、インプラントの位置がズレる場合があります。

位置がズレると、バランスが狂い、かみ合わせが合わないと感じてしまうでしょう。

この「ズレ」には「埋入位置・深さ・角度」の3つがあります。

そのため、オールオン4のインプラント治療をする際には、実績豊富な歯科医師に治療してもらうようにしましょう。

骨と結合していない

インプラントで違和感なく過ごすためには、骨との結合が必要です。

何かしらの理由でインプラント体と歯槽骨(しそうこつ)の結合がうまくいかないと、インプラントが骨と固定されずに違和感が出てしまいます。

インプラントが骨と結合しない理由については、以下の2つが考えられるでしょう。

  • インプラントが適切な位置に埋入されていない
  • 埋入時のドリルによるオーバーヒート

骨との結合については患者さん自身で気付ける部分ではないため、違和感があれば歯科医師に一度見てもらいましょう。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎によって、違和感が出る場合もあります。

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲の歯茎が歯周病になってしまう症状です。

インプラントは歯根膜をもたないため感染に弱く、歯周病になってしまうと進行が早まります。

インプラント周囲炎にならないためには、セルフケアを欠かさないようにしましょう。

白すぎる歯を選んでいる

見た目の観点による違和感については、歯の色を誤ってしまっている可能性があります。

オールオン4は、上部構造を作る際にセラミックの色を決めるのですが、ほとんどの人は真っ白な歯を選んでしまうのです。

人の歯は真っ白ではないため、自然な白さを選ばなければ、歯だけが浮き出たように見えてしまいます。

歯の白さについては自身で選べるので、歯科医師と相談しながら自然になじむ色を選ぶようにしましょう。

オールオン4で違和感があるときの対策

オールオン4で違和感があるときの対策

オールオン4で違和感があるときまたは出ないようにするためには、以下の対策を行いましょう。

  • 徹底的な歯ブラシ
  • 定期的なメンテナンス
  • 数日様子を見る

違和感だけではなく、オールオン4による口臭を防ぐための対策にもなります。

オールオン4で失敗したくない人は、それぞれの対策を心がけてください。

徹底的な歯ブラシ

オールオン4の治療を受けたら、徹底的な歯ブラシを心がけてください。

先述したようにオールオン4は歯根膜をもたないため感染に弱く、歯周病になってしまうと進行が早まります。

そのため、歯周病にならないための歯磨きをしましょう。

先が細いワンタントブラシであれば、ピンポイントで汚れを落とせるので、オールオン4のお手入れとしておすすめです。

また、歯間ブラシやデンタルリンスも合わせて使うと、口臭対策にもなります。

定期的なメンテナンス

定期的なメンテナンス

オールオン4の治療を受けたら、治療終了時点で終わりではなく、定期的なメンテナンスを受けてください。

メンテナンスによって、位置のズレなどが発覚する場合もあります。

メンテナンスの通院頻度の目安は、3~4カ月に1度です。

2年目以降も、1年に1度は見てもらうようにしましょう。

メンテナンスを行うことで、口臭も防げます。

数日様子を見る

オールオン4の手術をしてから、1~2週間ほど、歯が浮くような感覚や時折痛みが出るような違和感が出る場合があります。

このような症状が出た場合は、数日様子を見てみましょう

1~2週間では、骨が出来始める時期であるため、インプラントが不安定になりやすいです。

2週間以上も違和感が続く場合は何かしらの問題が起きているかもしれませんが、1~2週間であれば、数日間様子を見てみてください。

オールオン4は違和感の少ないインプラント

オールオン4は違和感の少ないインプラント

オールオン4は、違和感やデメリットが少ない、おすすめのインプラント治療です。

少なからずデメリットはあるものの、圧倒的にメリットが多く、不快感もありません

ただし、必ずしも違和感が出ないわけではないので、定期的なメンテナンスやセルフケアは必須です。

基本的には安全性が高く使用しやすいインプラント治療なので、綺麗で使いやすい義歯を求めている人は、オールオン4を検討してみてください。

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