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インプラントの平均寿命は?ケアによって寿命を延ばす方法

投稿日:2019年5月25日 更新日:

こんにちは!
岩手県盛岡市のマモインプラントクリニックマリオスの理事長高橋衛です。

インプラントは、失った歯を補う治療法として、チタン製の人工歯根(じんこうしこん)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を被せる治療方法です。入れ歯やブリッジなどと違い、他の歯に負担をかけずに歯を補える、天然の歯と同様にしっかりと噛むことができ、審美性も備えたインプラントは失った歯を補う方法としては最も適している治療方法といえます。また、正しくメンテナンスを行えば長期間使用できることから「第2の永久歯」とも呼ばれています。

 

インプラントの平均寿命

「半永久歯」「第2の永久歯」と言われるインプラントですが、その理由は寿命の長さにあります。インプラントの10年残存率は9割を超えています。正しくメンテナンスを行えば、9割以上の確率で、10年後もインプラントが正常に機能しているという事になります。入れ歯の場合は平均寿命が3~5年ほど、ブリッジの平均寿命は7~8年ほどとなっていますので、インプラントの10年という数字を聞くと飛び抜けて長寿命というふうには思えないかもしれません。

実はインプラントは他の治療と比べて歴史が浅く、現在も進化を続けている治療法であり、過去のデータから単純に比較することが難しいためこの様な10年後に9割以上の確率で正常に機能しているという数字になってしまいます。

実際、最初に現在の様なチタン製のインプラントで治療を行った患者は、40年以上機能していたという報告もあります。初めてチタン製のインプラントが使用されたのは1965年です。現代デンタルインプラントの父と呼ばれるウェーデンの整形外科医ペル・イングヴァール・ブローネマルク氏によって、ヨスタ・ラーソンという34歳の男性に行われました。このとき上下顎にデンタルインプラント手術を行い、そのインプラントは彼が亡くなるまで41年間問題なく機能したとあります。この様に、当時の技術でも数十年に渡って問題なく機能しているインプラントは多数あります。正しくメンテナンスを行い、歯周病等にも注意して本当の歯とともに大切に扱っていただければ、長期間に渡って維持できると思います。

インプラントの寿命を伸ばすためにやるべきこと

インプラントは精度の高い治療を受け、適切なメンテナンスを行うことによって、長期間使い続けることが可能になるでしょう。しかし、トラブルにより寿命を縮めてしまうこともあります。原因は様々ですが、治療の問題のみではなく、ご自身でインプラントの寿命を縮めてしまうこともあります。

インプラント周囲炎等の口内トラブルを防ぐ

インプラント自体は、虫歯にも歯周病にもなりませんが、インプラントの寿命を縮める原因となります。インプラントに歯垢などがついてしまうと、そこから歯周病に似たインプラント周囲炎という細菌感染を起こしてしまう可能性があります。インプラント治療では、あごの骨に人工歯根(インプラント)を埋め込みます。歯周病になると、歯を支えていた骨が吸収されると歯がぐらぐらになってきます。歯ぐきが痩せるなどと言われる状態です。この様な状態になるとインプラントの寿命を短くしてしまいます。

ケアの基本は天然の歯と同じで歯ブラシです。歯の隙間に歯垢などをためないように日頃のメンテナンスが必要です。しかし、丁寧に磨いても磨き残しは出てくるでしょう。バイオフィルムは歯ブラシで除去できませんので、歯科でプロの手で行うメンテナンスも必要です。

噛合せの調整

噛み合わせのバランスが悪いと、特定の歯に大きな負担をかけてしまうことになり、インプラント本体やその上の人工歯が破損してしまうこともあります。さらに虫歯や歯周病のリスクを高めてしまい、インプラントの寿命を縮めてしまうことになります。そのため、正しい噛み合せの調整を行い、インプラントに負担がかかっていないか、チェックする必要があります。

歯ぎしりや食いしばりの改善

歯ぎしりは、とても大きな負担が歯にかかってしまいます。天然の歯には歯根膜という薄い膜が歯と歯槽骨の間にあります。それが、歯ぎしりや歯をく威張った際にかかる力を吸収するクッションのよな役目を果たしてくれるため、歯にかかる衝撃が抑えられています。しかし、インプラントには歯根膜がありません。そのため、歯ぎしりや食いしばりによってかかる負荷がインプラントにそのままかかってしまいます。就寝中の歯ぎしりなどは意識して改善することが難しいかもしれません。その場合は専用のマウスピースを使用することで、歯にかかる負担を軽減することが出来ます。

禁煙

喫煙者と非喫煙者と比較した場合、インプラント周囲炎の発症率が数倍高まるという報告があります。以前は、喫煙者はインプラント治療が困難だとされてきました。しかし、現在はインプラント治療技術の向上もあり、コントロールを行っていれば治療は可能になりました。ただし、喫煙者はリスクに応じたメンテナンスが必要になります。喫煙する方は、インプラントを長く使用するためにも、治療を機に禁煙されることを勧め致します。

まとめ

インプラント治療は決して安いとは言えません。高い治療費を払い高度な治療を受けても、治療後のご自身の行動で寿命を縮めてしまうこともあります。逆に大切に扱い、適正なメンテナンスを行えば、寿命を伸ばし、本当の「第2の永久歯」として長期間に渡り機能を果たしてくれるでしょう。

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