歯の黄ばみが気になったことはありませんか?
毎日欠かさず歯磨きやお手入れをしていても、さまざまな理由から歯はいつの間にか着色してしまいます。
この記事では、歯の黄ばみの原因や自宅でできる黄ばみを取る方法、さらに自宅でのケアに限界を感じた場合の対処法について分かりやすく解説しています。
歯の黄ばみが気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
歯が黄ばむのはなぜ?
歯の黄ばみの原因は一つではなく、いくつかの要因があります。
中でも大きく以下の2つに分類されます。
- 内因性のもの
- 外因性のもの
それぞれ詳しく解説します。
内因性による歯が黄ばむ原因
自身の組織や細胞などから発生する内因性による歯の黄ばみについて解説していきます。
もともとの歯の色が原因
もともとの歯の色は人それぞれ異なります。
また、日本人の歯は真っ白というよりは、遺伝的にクリーム色に近い色味をしています。
そのため、生まれつき黄色がかって見えがちです。
歯は白いエナメル質が厚いと白味が強く、薄いと黄味の象牙質の色が透けて黄色っぽく見えます。
日本人の歯は欧米人と比較すると、エナメル質が薄いのでクリーム色に近い色味をしています。
加齢が原因
加齢が歯の黄ばみに影響を及ぼすケースがあります。
年齢を重ねると摩擦によって歯のエナメル質が薄くなるため、その内側にある象牙質の色が透けて見えるようになります。
エナメル質が薄くなった歯は、象牙質の黄色っぽい色味が濃くでるので、若い頃に比べると歯が黄ばんでいるように見えやすいです。
歯の神経が原因
むし歯など、歯がダメージを受けて神経が壊死することで、歯が変色して黄ばむことがあります。
歯の神経が壊死してしまうと血液循環がなくなります。
血液が循環しないので、象牙質のコラーゲンが古くなっていき、象牙質の色味がどんどん暗くなっていきます。
象牙質の色が黄色や黒っぽく変色してしまった影響でエナメル質がから透ける歯の色も暗く黄ばみが強く見えるようになります。
外因性による歯が黄ばむ原因
外部からの刺激が原因となっている外因性による歯の黄ばみについて解説します。
歯の黄ばみを引き起こす外因性の原因には次の3つが考えられます。
それらがどのように歯の黄ばみに影響しているのか解説していきます。
- 飲食物によるもの
- 生活習慣によるもの
- 脱灰や再石灰化によるもの
飲食物によるもの
歯に着色しやすい飲食物を継続して摂取していくと、次第に歯の黄ばみを引き起こします。
例えば、「タンニン」「カテキン」「ポリフェノール」や「着色料」といった成分が含まれているものがそれに当たります。
上記の成分は歯のエナメル質にステイン(着色汚れ)となって歯に付着したり、蓄積したりします。
その歯の表面に付着したステインを放置すると、エナメル質にまで着色が浸透していき、歯の黄ばみへと進行していくのです。
これらの成分が含まれている代表的な飲食物は以下のものが該当します。
- コーヒー
- 紅茶
- ウーロン茶
- 赤ワイン
- カレー
- キムチ
- 醤油
- ソース
- ケチャップ
抗酸化作用など生活習慣病の予防にも効果のあるポリフェノールですが、歯の黄ばみを防ぐためには、摂取した後のケアが重要です。
生活習慣によるもの
喫煙やうがい薬など生活習慣も歯の黄ばみの要因になります。
タバコにはニコチンやタールといった有害物質が含まれています。
中でもタールは、粘着性のある物質で歯の表面に付着しやすい特徴があります。
俗に言う「ヤニ」と呼ばれるもので、少しずつ黄ばみや茶ばみとなって歯を着色していきます。
うがい薬は、「グルコン酸クロルヘキシジン」という成分が含まれているうがい薬の長時間使用に注意が必要です。
薬剤の着色によって歯の黄ばみの原因となる可能性があります。
脱灰や再石灰化によるもの
歯の黄ばみは口の中で起こる脱灰(だっかい)と再石灰化によっても引き起こされます。
脱灰 | 細菌が食物の糖などを取り込み分解して生み出した酸によって 歯のカルシウムやリンなどのミネラルが溶けだすこと |
再石灰化 | 唾液のもつ酸を中和する作用によって、口内のphが徐々に元に戻り 溶けだしたカルシウムやリンが歯の表面のエナメル質に戻ること |
口の中では、食事の度に脱灰と再石灰化が繰り返し行われています。
この2つのバランスが保たれているとむし歯になりませんが、バランスが崩れると、歯の黄ばみやむし歯の進行といったトラブルへ発展しやすくなります。
自宅で歯の黄ばみを取る方法
歯の黄ばみを改善する方法も調べるといくつもの方法が出てきます。
中でも自宅でできる方法には次のような方法があります。
- ホワイトニング用歯磨き粉
- 市販の歯のマニキュア
- 市販の歯の消しゴム
- ホワイトニングペン
- 重曹
- テレビ番組で紹介された方法
それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのか、自宅でできる歯の黄ばみを改善する方法について解説していきます。
ホワイトニング用歯磨き粉
ホワイトニング用の歯磨き粉を使用して歯磨きする手軽でスタンダードな方法です。
さまざまな種類が市販されていますが、効果にそこまでの大差はないようです。
メリット
・手軽にできる
・費用がリーズナブル
デメリット
・効果はそこまで高くない
・着色がひどいとあまり効果が得られない
市販の歯のマニキュア
爪のマニキュアのように歯科専用のマニキュアで専用の塗料を歯に塗ります。
自宅で使用する市販のマニキュアの他に歯科医院で施術を受けるものもあります。
メリット
・短時間でできる
・費用がリーズナブル
デメリット
・持続期間が短い
・マニキュアがはがれやすい
市販の歯の消しゴム
歯の消しゴムは、文房具の消しゴムのように歯の表面に付着している汚れや着色を落とすことができる消しゴムです。
タバコのヤニも落とすことができます。
メリット
・簡単にできる
・外出先でも使用できる
デメリット
・磨きすぎると歯を傷つけるリスクがある
・効果には個人差がある
ホワイトニングペン
ホワイトニングペンは、マニキュアと同じ要領で歯に塗って使用できます。
手軽に使用でき、簡単に歯を白く見せることができるので高い人気を得ています。
メリット
・手軽に使用できる
・費用がリーズナブル
・携帯便利
・出先でも使える
デメリット
・持続期間が短い
・効果の個人差が大きい
重曹
重曹を使って、歯のホワイトニングをすることができます。
水と重曹でペーストを作ったら、あとは歯ブラシがあればできるため、手軽に行えます。
メリット
・身近なもので簡単にできる
・表面に付着した着色を取り除くことができる
デメリット
・歯の表面を必要以上に傷つける恐れがある
・白くできるわけではない
・歯垢が歯につきやすくなる恐れがある
・塩分の過剰摂取になりやすい
・口腔内の粘膜にダメージを与える恐れがある
テレビ番組で紹介された方法
ここでは、「伊東家の食卓」で紹介された方法について解説します。
「伊東家の食卓」では、「イチゴ」を使った方法が紹介されていました。
具体的には、すりつぶしたイチゴを歯磨き粉代わりにして歯を磨く方法です。
イチゴを使った方法は有効なのか?
結論から言うと、この方法はおすすめではありません。
これは、イチゴの酸を利用して歯の黄ばみを取る=歯の表面を溶かす脱灰の作用を利用してます。
おすすめできないのは、黄ばみや汚れだけでなく、歯のエナメル質も溶かしてしまうため歯にダメージを与えてしまうからです。
歯の黄ばみを取るセルフケアでおすすめしない方法
歯の黄ばみを取る方法を紹介してきましたが、あまりおすすめしないセルフケアの方法は以下の3つです。
- 重曹や塩で磨くこと
- 強い酸で磨くこと
- 強い力で磨くこと
重曹や塩で磨くこと
重曹や塩で歯を磨くと歯の着色が落とせると聞いたことがあるかもしれません。
確かに歯の着色を落とす効果もありますが、歯のエナメル質を傷つけてしまったり、口腔内にダメージを与えたり、歯茎を傷めるなどメリットよりもデメリットを受ける可能性が高いです。
重曹や塩で歯磨きすることは、あまりおすすめではありません。
強い酸で磨くこと
強い酸で磨くと汚れも取れますが、脱灰と同じ作用により歯のエナメル質も溶け出してしまいます。
エナメル質が溶けだすとむし歯や知覚過敏を引き起こすリスクが高まります。
加えて、エナメル質が薄くなることで象牙質の色味が濃くでることになり、黄ばみが目立つことになりかねません。
口腔内のバランスを保ち、歯の健康を持続するためにも強い酸で歯磨きすることはおすすめできません。
強い力で磨くこと
強い力で歯を磨くと歯と歯茎にダメージを与えてしまいます。
強すぎる歯磨きで歯を傷つけると、そこから着色が進んだり、むし歯に発展したりする恐れがあります。
また、歯茎を退縮させることから知覚過敏を引き起こすリスクも高くなります。
日常的に強くブラッシングしがちな場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けると良いでしょう。
黄ばみ取りのホームケアに限界を感じたら
ホームケアで歯の黄ばみを取ることに限界を感じたら、専門的なケアを検討してみましょう。
専門的なケアにもいくつかの種類があるため、ここでは以下の3つについて解説します。
- クリーニング
- ホワイトニング
- ラミネートべニア
クリーニング
クリーニングとは、専用の研磨ペーストを使用し、電動機器で1本1本の歯を磨き、汚れや着色を取り除くことです。
また、スケーラという専用の器具を使って、スケーリングし、歯石や汚れを取り除きます。
ホワイトニング
歯の汚れや着色が内部まで浸透している場合、ホワイトニングが有効です。
ホワイトニングは、浸透した汚れや着色を分解し、取り除くことができます。
歯にダメージを与えずにできるので、おすすめです。
主に次の3つの方法があります。
ホームホワイトニング
歯科医院に通院することなく自宅でホワイトニングができます。
1週間~3週間ほどの期間を要しますが、頻繁に行うので歯の白さを保ちやすいメリットがあります。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院でホワイトニングする方法です。
1回のホワイトニングで高い効果を実感できるので、すぐに歯を白くしたい人に向いています。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングとは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方を行う方法です。
即効性と持続性の両方のメリットを得ることができます。
そのため、費用は高額になりますが、歯の白さを極めたい人に適しています。
ラミネートベニア
ホワイトニングで歯の黄ばみを改善できなかった場合、ラミネートべニアが有効です。
歯の表面を削って、その部分にセラミックを着ける審美方法です。
通院回数を抑え、確実に白くできますが、健康な歯を削ることと費用が高額になることがデメリットです。
歯の黄ばみや着色を予防するために
すでに歯の黄ばみが進んでしまったら、これまで紹介してきた方法で改善するしかありません。
しかし、黄ばみが発生しないように予防することを意識することも大切です。
黄ばみが起こる手前で予防しておく3つの方法について解説します。
- 着色しやすい飲食物について
- 歯を強く磨かない
- 定期的に歯科クリーニングをする
着色しやすい飲食物について
着色しやすい飲食物を避けることも一つの手ですが、歯のためにそこまでするのは難しいものです。
着色しやすい飲食物を日常的に避ければ着色しにくくはなりますが、現実的ではありません。
控えめにすることを心がけたり、口にしたときはすぐに口をゆすいだり、歯磨きをするなどのアフターケアをして着色を予防しましょう。
歯を強く磨かない
歯を強くこすると汚れが取れるような気がするかもしれません。
しかし、強く歯を磨くとエナメル質を傷つけ、着色しやすい環境になってしまいます。
毎日の歯磨きでは歯を強く磨くことは避けましょう。
また、研磨剤が配合されている歯磨きも歯を傷つけることにつながるので含まれていないものを選ぶことをおすすめします。
定期的に歯科クリーニングをする
毎日の歯磨きやホームケアでは歯の汚れを取るのに限界があります。
歯科医院でのクリーニングでは、歯磨きなどでは取れない歯石や着色を落とすことができます。
歯をクリーニングすると本来の歯の白さを取り戻せるだけでなく、むし歯や歯周病などお口のトラブルの早期発見にもつながります。
3か月~半年に一度など定期的にクリーニングを受けると良いでしょう。
セルフケアと専門的なケアをバランスよく
歯が黄ばむ原因と自宅でできる歯の黄ばみを取る方法について紹介しました。
ホームケアはいつでもできるので手軽ですが、本格的に歯の黄ばみを取り、キレイにしたいのであれば、専門的に歯科医院での施術を検討しましょう。
セルフケアは大切ですが、それだけでは審美歯科ほどの効果は得られませんし、限界があります。
また、定期的に歯科医院に通うことで歯の黄ばみを取るだけでなく、口腔内全体の健康維持をしていきましょう。