歯のお手入れ

食後すぐはだめですよ!?歯医者が教える正しい歯磨きの新常識!

投稿日:2019年6月24日 更新日:

こんにちは!
岩手県盛岡市のマモインプラントクリニックマリオスの理事長高橋衛です。

皆さんが子供のころには、両親から「ご飯を食べたらすぐに歯磨きするように」と教わっていたのではないでしょうか。

歯磨きは、エチケットとしても、歯を守るためにも、非常に大切なことですので、面倒くさい…と思いながらも両親の教えを守って、食後すぐに歯磨きをすることが習慣づいている人も多いでしょう。

ところが、最近では、歯磨きの新常識として「食後すぐに歯磨きすると、歯の表面が傷ついてしまうため、しばらく時間をおいてから磨いた方が良い」という情報が出回るようになっています。お子様のためなどに歯磨きの方法をインターネットで検索したことがあるお母様は、この情報を見たことがある人も多いと思います。

それでは、この「食後すぐの歯磨きはNG!」という話は、本当のことなのでしょうか?それとも信憑性のない話なのでしょうか?

今回は、歯の健康を守るためには、とても大切になる歯磨きについて、歯医者さんが教える正しいタイミングに関する知識をご紹介していきます。

「食後すぐの歯磨きはNG!」はホント?歯磨きのタイミングについて

それでは、歯磨きをするベストなタイミングについてご紹介します。冒頭でもご紹介したように、「食後すぐに歯磨きすると歯の表面が傷つく!」という話は、インターネットなどでもよく目にするようになってきていますし、テレビ番組の中でも同様の内容が放送されています。

このような情報を見てしまうと、誰でも「歯磨きはしばらく時間を置いた方が良い!」と考えることでしょう。しかし実際には、全ての人に対して言えることではなく、昔から言われているように、食後できるだけ早く歯磨きしたほうが良い人もいるのです。

ちなみ、「食後すぐの歯磨きはNG」という情報が出回るようになってから、公益社団法人日本小児歯科学会より以下のような注意喚起がなされています。

最近になって、食後すぐに歯をみがくと、あたかも歯が溶けてしまうというような報道が新聞やテレビで伝えられたため、現場がやや混乱しているようです。
(中略)
小児における歯みがきの目的は歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除くとともにその原料となる糖質を取り除くことです。歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶けだす脱灰が始まります。このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、酸性の飲食物が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。
結論としては、通常の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。
引用:公益社団法人日本小児歯科学会サイトより

『食後すぐの歯磨き』は正しいのか?

上述したように、「食後すぐに歯磨きしてはいけない」という情報は、全ての人に正しいという訳ではありません。

『食後すぐの歯磨きで、歯の表面が傷ついてしまう』ということについては、近い内容の論文があるのも確かで、この情報から出回った歯磨きの新常識なのかもしれません。

しかし、この論文は『炭酸飲料に象牙質の破片をつけると、象牙質が弱くなる』ということを示しているもので、実際に人間の口の中は、この実験とは全く異なる条件となるのです。

人間の歯の象牙質は、その周辺を象牙質よりもはるかに頑丈なエナメル質に保護されています。また、普段口にするものが、炭酸飲料のように酸性のものばかりではないでしょう。

このことを考慮すれば、食後すぐに歯磨きをしても、歯を傷つけてしまうリスクはそこまで高いとは言えないのです。

つまり、歯が健康な状態にある人であれば、食後歯磨きをせず放置することによって、虫歯の元となる歯垢が歯に付着してしまうリスクを考えると、すぐに歯磨きをした方が良いとも言えるのです。

例外もあります

「食後すぐに歯磨きしてはダメ」という情報が全ての人に正しいわけではないとわかっていただけましたね。

ただし注意が必要なのは、「酸蝕症(さんしょくしょう)」にかかっている人であれば、食後すぐに歯磨きしない方が良いかもしれないということです。

「酸蝕症」とは、食生活などが原因となり、歯を保護しているエナメル質が溶け出してしまう病気で、この場合に関しては、食後すぐの歯磨きを長期間続けた場合、歯磨きによって歯がすり減ってしまう可能性もあります。

したがって、酸蝕症になっている人or酸蝕症が疑わしい人は、食後30分~1時間程度時間を空けてから、お口の中が中和された状態で歯磨きすると良いでしょう。

ただし、酸蝕症は、虫歯のように自覚症状がありませんので、自分で気づくことは難しい病気です。

そのため、自分勝手に「酸蝕症かもしれない…」などと考えて、歯磨きのタイミングを遅らせてしまうと、逆に虫歯のリスクを高めてしまう可能性がるので注意しましょう。

自分に最適な歯磨きのタイミングを知りたい場合には、きちんと歯医者さんに行って歯の状態を確認してもらい、アドバイスを受けるのがオススメです。

まとめ

今回は、最近、歯磨きの新常識として見かけることが多くなってきた「食後すぐに歯磨きすると歯の表面が傷つく!」という話について、この情報は本当に正しいのかということを、歯医者の視点からご紹介してきました。

本稿でもご紹介したように、歯が健康な状態の人であれば、食後すぐに歯磨きすることで、口の中の汚れを落とし、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しにくい環境をつくることできるため、時間を空けて歯磨きするよりもはるかに大きなメリットがあると言えるでしょう。

ただし、「酸蝕症(さんしょくしょう)」の人などに関して言えば、酸化した状態から通常のお口の状態に戻る、食後30分から1時間程度時間を空けて歯磨きすると安心かもしれません。

しかし、歯磨きに関して考えた場合、「どのタイミングでするのか?」ということを必要以上に神経質になる必要はないと思います。

食後時間を空けてしまうと、歯磨き自体を忘れてしまうことも多くなってしまいますので、そういった事を考慮した場合「食後すぐに歯磨きをする!」ということを習慣づける方がいいかもしれませんね。

なお、自分が酸蝕症になっているか気になる方は、自覚症状などが現れませんので、歯医者さんに行って調べてもらうようにしましょう。

 

 

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