予防歯科

差し歯は根っこがないとできない?歯根破折の原因や差し歯以外の治療の選択肢を紹介

投稿日:2023年3月10日 更新日:

差し歯は根っこがないとできないのかについて知りたいと悩んでいませんか?

この記事では「差し歯は根っこがないとできないのか」について紹介していきます。

結論、差し歯は歯の根っこの上に土台を作って被せ物をするので、根っこがないと差し歯はできません。

他にも「歯根破折の原因」や「差し歯ができないときの治療の選択肢」についても解説します。

ぜひこの記事を参考に、差し歯は根っこがないとできない理由について理解を深めてみてください。

差し歯は根っこがないとできない?

差し歯は、歯の根っこで土台を作って義歯を差し込むので、歯の根っこがなければ差し歯はつけられません。

歯の根っこがない場合には、根っこの代わりになるインプラントを入れると、インプラントの上に差し歯ができます。

その他にも、入れ歯やブリッジなどの治療方法もあるので、自分の要望に合った治療方法を選ぶようにしましょう。

このように、歯の根っこは、歯がぐらつかないように支える役割があるので、根っこがなければ差し歯はできません。

歯根破折の原因

歯根破折の原因については、主に以下が挙げられます。

  • 不正咬合
  • 咬合力が強い
  • 神経が無い
  • 虫歯

それぞれの原因について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

不正咬合

不正咬合とは、正しく噛み合っていない状態を指し、種類によって原因や悪影響が異なります。

不正咬合の種類については、以下が挙げられます。

不正咬合の種類特徴
叢生(そうせい)歯が生えている方向がバラバラで、一部の歯列に凹凸が見られる状態を指します。歯が生える十分なスペースが無かったり、歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪いなどが原因とされています。
空隙歯列(くうげきしれつ)歯と歯の間に隙間ができている状態で、すきっ歯とも呼ばれています。歯の本数が不足していたり、顎の大きさに比べて歯が小さいなどが原因で起こります。サ行・タ行の発音がしづらくなったり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)上顎全体が前方に突き出てしまっている状態を指し、出っ歯とも呼ばれています。口が閉じづらくなり、口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。遺伝的要因や舌癖・指しゃぶりなどの後天的要因が原因とされています。
下顎前突(かがくぜんとつ)下顎全体や下の前歯が前方に突き出ている状態を指し、受け口とも呼ばれています。発音がしづらかったり咀嚼機能が低下してしまうなどのさまざまな悪影響が起こります。原因は遺伝的要因と後天的要因どちらも悪影響を与えているとされています。
開咬(かいこう)常に前歯の部分が開いており、奥歯しか噛み合っていない状態を指し、オープンバイトとも呼ばれています。前歯で噛むことができないので、奥歯に負担をかけてしまったり、口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
過蓋咬合(かがいこうごう)上顎と下顎の噛み合わせが深い状態を指し、ディープバイトとも呼ばれています。噛み合わせた時に下の前歯がほとんど見えない状態になり、前歯で噛み切ることができない状態になります。虫歯や歯周病、顎関節症になりやすくなるリスクがあります。

上記のように、不正咬合はさまざまな種類があり、噛み合わせが悪い状態は、歯の根っこに負担がかかってしまうのです。

咬合力が強い

嵌合力が強いと、歯根に大きな負担がかかってしまい歯根破折の原因になってしまいます。

個人差はありますが、咬合力が強くなる原因として、噛み合わせに高い部分や低い部分があるため、部分的に負荷が集中してしまうことが挙げられます。

ストレスや緊張などの精神的要因によって、口の周りの筋肉も緊張状態となり、「食いしばる」ようになってしまうことで咬合力が強くなってしまうのです。

咬合力が強い方は、噛み合わせの調整はもちろん、マウスピースを付けるなどの筋肉を脱力させるトレーニングを行うと、強い咬合力を緩和させることが期待できます。

神経が無い

歯の神経が無い状態だと、歯の血管も一緒に取り除いてしまうので、歯に栄養が供給されなくなり、強度が下がってしまうことで歯根破折の原因になります。

健康的な歯であれば、外的ダメージが加わっても、しなりがあるので、割れたり折れにくい特徴があります。

すでに神経が無い歯がある場合は、歯根破裂が起こりやすい状態になるので、噛み合わせの調整をしたり歯磨きを入念にしたりなどいつも以上に歯を丁寧に扱うようにしましょう。

虫歯

虫歯になっている歯は強度が弱くなっているため、歯根破折が起こりやすくなります。

虫歯が進行してしまうと、歯の神経を抜く必要があるので、さらに歯の強度が下がってしまうデメリットが挙げられます。

虫歯を予防するには、普段から歯磨きを入念に行ったり、定期検診に通って虫歯の早期発見・早期治療を行うことをおすすめします。

近年では、虫歯の進行が進んでいても歯の神経を残す治療の選択肢を増やせるようになっているので、事前に相談しておきましょう。

歯根破折の予防方法

歯根破折の予防方法については、主に以下が挙げられます。

  • マウスピース
  • 咬合治療
  • 虫歯や歯周病の早期治療
  • 被せ物の土台は金属以外にする

それぞれの予防方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

マウスピース

マウスピースを使用すると、食いしばりや歯ぎしりなどのダメージから歯を保護できるので、歯根破折の予防につながります。マウスピースは保険が適用されるので、コストを抑えて作成できるのが嬉しいポイントです。

ナイトガードと呼ばれるマウスピースを着用すれば、意識のない状態である睡眠中も予防できます。

普段からスポーツをしている方は、スポーツ用マウスガードを着用すると、外傷からのダメージから歯を守ることが可能です。

また、マウスピースは歯列矯正の効果もあるので、一部の歯への負担を軽減させる効果も期待できます。

咬合治療

上顎と下顎の位置が悪い場合は、咬合治療を行うことで歯根破折の予防にもつながります。

正しい噛み合わせの状態になると、噛む力を均等に分散できるので、歯並びの改善にも効果的に働きます。

歯磨きなどの手入れがしやすくなるメリットも挙げられるので、虫歯や歯周病予防にもなります。

また、噛み合わせは全身の健康状態をバランスよく保つ重要な役割があるため、咬合治療を行うことで肩こりや目のかすみなどの身体のあらゆる不調の改善にもつながるのです。

虫歯や歯周病の早期治療

虫歯や歯周病になってしまった場合でも早期に治療をすることで歯根破折を予防できます。

虫歯や歯周病の予防には、食後は必ず歯磨きを行い、歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると効果的です。

それでも磨き残しがあったり、自分では気づいていない歯の異常があったりすることもあるので、歯科の定期健診を受けておくといいでしょう。

定期検診を受けていれば、虫歯や歯周病の早期発見・治療ができたり、予防のための正しい歯磨きの仕方を教わったりすることもできます。

とにかく歯根破折を予防するためには、虫歯の予防と早期発見・治療が大切です。

被せ物の土台は金属以外にする

被せ物の土台が金属だと他の歯と強度差が出てしまうことで歯根破折が起こりやすくなります。

保険が適用されるレジンコアを使用すると、歯根破折の予防はできますが、奥歯や犬歯など強い力がかかる箇所には適用できない可能性があるので、事前に確認をしておきましょう。

レジンコアが適用できない場合には、ガラス繊維強化樹脂を使った歯の「ファイバーコア」を検討してみましょう。

ファイバーコアは、強度が高く弾力性があるので、歯根破折の予防に効果的に働きます。また、セラミックの被せ物との相性が良く、自然な白さで審美性が高いメリットも挙げられます。

しかし、ファイバーコアは保険適用外で治療費が高額になってしまうので、どのくらいの費用がかかるのかなど、事前にかかりつけの歯科クリニックへ確認しておきましょう。

歯根破折を起こさないようにするには、天然歯との親和性が高い「レジンコア」や「ファイバーコア」を使用するのがおすすめです。

差し歯ができないときの治療の選択肢

差し歯ができないときの治療の選択肢を把握しておくと、自分の要望に合った治療を受けることにもつながります。

具体的に差し歯ができないときの治療の選択肢については、以下のとおりです。

  • インプラント
  • ブリッジ
  • 部分入れ歯

それぞれの治療方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

インプラント

インプラントとは、顎の骨にインプラント体を埋め込み、人工歯を装着する治療方法を指します。

人工歯をしっかりと固定でき、根っこの機能を回復できるメリットがあるので、本来ある自分の歯の感覚で噛むことができます。

独立した歯が入るので、他の健康な歯を削る必要がなく、顎の骨が痩せてしまうのを防ぐ効果もあります。

歯並びや噛み合わせにも良い影響を与えられるので、メリットが多い治療方法と言えるでしょう。

しかし、自由診療なので治療費が高額だったり、外科手術が必要になるなどのデメリットがあるので、注意が必要です。

ブリッジ

ブリッジは、失った歯の左右に生えている健康的な歯を支柱にして、橋をかけるように人工歯を入れる治療方法を指します。

装着による違和感が少なく、人工歯を安定的に固定できるメリットが挙げられます。

素材によっても異なりますが、天然歯と同じような自然な見た目にできるので、審美性が高い特徴も挙げられます。

デメリットについては、両隣の健康的な歯を削る必要があったり、材料や条件によっては、保険適用外になってしまうなどがあるので、治療後のトラブルを避けるためにも、事前に確認をしておきましょう。

部分入れ歯

部分入れ歯は、自分の歯が1本でも残っている場合に適応されます。種類によって異なりますが、左右の健康的な歯に金属のバネ「クラスプ」や入れ歯の沈み込みを防ぐ装置「レスト」と呼ばれるパーツを使用して固定する治療方法です。

部分入れ歯の種類については、以下が挙げられます。

部分入れ歯の種類特徴
レジン床義歯プラスチックで出来た保険適用の部分入れを指します。左右の健康的な歯に金属の留め具をかけるので、安定しやすく噛む力を分散できます。留め具が目立ってしまったり、食べかすや歯垢がつまりやすいデメリットがあるので、あらかじめ注意が必要です。
シリコーン義歯構造はレジン床義歯と同じですが、歯茎に接する面がシリコーンになっている部分入れ歯を指します。フィット感が出て、痛みが出にくい特徴があります。デメリットについては、強く噛んだ際に沈み込んでしまうので、左右の歯に大きな負担をかけてしまうなどが挙げられます。
ノンクラスプ義歯留め具に金属を使わないので、審美性に優れている部分入れ歯です。一般的な部分入れ歯に比べて、食べかすや歯垢が詰まりにくいので、虫歯や歯周病予防にもつながります。しかし、調整や修理に手間がかかってしまうデメリットが挙げられます。
金属床義歯プラスチックで出来た一部分を薄い金属で置き換えた部分入れ歯を指します。複雑な設計ができ、強度が高いなどの特徴があるので、一人ひとりの要望に合った部分入れ歯を作ることが可能です。金属部分が多くなってしまうので、見た目が悪くなってしまうデメリットがあります。

上記のように、部分入れ歯の種類は多くありますが、基本的に目立たない部分入れ歯は保険適用外になるので、あらかじめ注意が必要です。

また、歯科医院によっては、インプラント支持の総義歯などの専門的な部分入れ歯を取り扱っている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

歯根破折を予防しよう!

今回は、差し歯は根っこがないとできないのか知りたい方に向けて、歯根破折の原因や差し歯ができないときの治療の選択肢を紹介しました。

歯根破折の原因については、主に以下が挙げられます。

  • 不正咬合
  • 咬合力が強い
  • 神経が無い
  • 虫歯

また、差し歯ができないときの治療の選択肢を把握しておくと、自分の要望に合った治療を受けることにもつながります。

今回の記事を参考に、差し歯ができるように歯根破裂を予防しましょう。

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