インプラント

総入れ歯からインプラントは可能?患者様の負担が少ないインプラント手法について

投稿日:2020年4月1日 更新日:

こんにちは!
岩手県盛岡市のマモインプラントクリニックマリオスの理事長高橋衛です。

一昔前までは全ての歯を失ってしまった場合、従来の治療方法では『総入れ歯』しか選択肢がありませんでしたが、近年ではインプラントによる治療が登場しており、より自然の歯に近い状態を取り戻すことができるようになっています。
しかし、インプラントによる治療は、大掛かりな外科的手術が必要になり、患者さんの身体的負担もかなり大きくなります。さらに、全ての歯を失ってしまった人がインプラントをする場合には、多額のコストがネックとなり、インプラント治療を選択できる方も限られているという問題も存在します。そこでここ最近注目されているのが『オールオン4(all-on-4)』や『オールオン6(all-on-6)』と呼ばれるインプラント治療です。これらの治療法は、患者さんの身体的負担や費用負担を抑えることができるため、多くの方がインプラント治療を選択できるようになったのです。
もちろん、「総入れ歯かインプラントか?」といった具合に、自分に最適な治療方法を選択する場合には、患者さんごとの口腔内の状態や骨の状態を診断したうえで決定しなければいけません。当然、入れ歯とインプラント治療には、それぞれメリットとデメリットが存在しますので、この記事では「総入れ歯からインプラントは可能?」という視点で両者の基礎知識をご紹介します。

総入れ歯のメリットやデメリットは?

それではまず、全く歯のない方の治療方法として、古くから採用されてきた『総入れ歯』のメリットやデメリットについて簡単にご紹介しておきましょう。総入れ歯がどういった治療方法かはある程度イメージできるかと思いますので、ここでは省略しておきます。

総入れ歯のメリット

まずは、総入れ歯による治療方法のメリットからです。総入れ歯による治療のメリットとして挙げられるのは、保険適用の治療となるため、費用を抑えられるということでしょう。さらに、外科的な手術などもありませんので、身体的負担や治療失敗のリスクなどがほとんどないのもメリットと言えます。
他には、手間がかかるものの、入れ歯は取り外して洗浄することができるため、清潔を維持することが容易になることがメリットです。

総入れ歯のデメリット

上記のようなメリットがある一方で、総入れ歯による治療はデメリットもそれなりに存在しています。全ての歯を失ってしまった人であれば、入れ歯を安定させるための金具などを取り付けることができません。そのため、歯ぐきだけで支えることになってしまうため、入れ歯が動きやすく、物を噛む力(咀嚼力)がかなり弱くなってしまうのです。一般的に、総入れ歯の場合、天然の歯と比較して1~3割程度の力になってしまうため、物がうまく噛めずに食べにくい…硬いものを噛めなくなる…などと言う問題が生じます。
また、総入れ歯は、ある程度の厚みとなってしまうため、装着時に大きな違和感を感じてしまう方が非常に多いです。さらに、入れ歯を装着することで歯ぐきが圧迫され、顎の骨が徐々にやせてしまうという問題があります。そのため、長く使用している入れ歯だと、徐々に合わなくなってしまい、食事や会話の最中に何らかの拍子で外れやすくなってしまうというデメリットがあります。

総入れ歯からインプラントは可能?

総入れ歯は、上述のように治療に関する負担は少ないというメリットがあります。しかし、天然の歯に比べると噛む力が極端に弱くなってしまうため、日常生活上でさまざまな不便を強いられてしまうという非常に大きなデメリットが存在しているのです。そのため、インプラント治療が登場してからは「総入れ歯からインプラントにするのは可能なのか?」という患者様が増えているのです。
しかし、長期間入れ歯を使用してきた方であれば、骨吸収が進んでしまっており(顎の骨が痩せていくこと)、インプラントを埋入するのに十分な骨がなくなってしまっている場合があります。そのため、歯科医院にインプラントの相談にいったものの、治療を断られてしまう…なんてことも珍しくなく、仕方なく総入れ歯を使用し続けているという方も多いのではないでしょうか。こういった方にお勧めなのが『オールオン4(all-on-4)』と呼ばれるインプラント治療です。
オールオン4による治療であれば、骨量が少ない場合でも4本のインプラントをバランスよく埋入することで全ての人工歯を支えることができるようになるのです。そのため、骨造成により骨量を増やすこともなく治療が進められる可能性が高くなっているのです。インプラント治療は、『顎の骨が十分である』という治療適応の条件があり、もともと総入れ歯を使用していた方では治療が難しい場合もあったのですが、オールオン4が登場したことによりその治療適応の条件自体がなくなってきています。
オールオン4の詳細については、以下の記事をご参照ください。

関連記事:治療期間が最も短縮できるインプラント治療『オールオンフォー(All-on-4)』と『ザイゴマインプラント』について

オールオン4のメリットやデメリットは?

それでは最後に、オールオン4によるインプラント治療のメリット・デメリットについても簡単にご紹介しておきます。

オールオン4のメリット

  • 通常のインプラントよりも治療費を抑えられる
    オールオン4は、通常のインプラントよりも低コストで治療可能です。歯をすべて失ってしまった人のインプラント治療であれば、十数本ものインプラントを埋入する必要があるのですが、オールオン4による治療であれば4本で済むのです。したがって、従来のインプラントよりもかなり低コストで治療が可能というメリットがあります。
  • 身体的負担が少ない
    インプラントを埋入する本数が少なくなるため、従来のインプラント治療よりも手術による身体への負担が大幅に軽減されます。
  • 天然の歯と同様にものが噛める
    総入れ歯と比較すると、とても咀嚼機能に優れているため、なんでも噛むことができるようになります。また、歯茎と歯を固定するので、食事や会話中に外れるようなこともなく、日常生活上での違和感もほとんどありません。
  • 取り外しの必要がない
    従来のインプラントは、10年程度経過したら再び手術をして入れ替える必要がありました。当然、費用的、身体的負担は非常に大きなものとなります。オールオン4であれば、1度埋入すれば取り外す必要がなく一回の手術で済ませることができます。

オールオン4のデメリット

  • 手術が必要
    総入れ歯であれば、治療のリスクなどほとんどありません。オールオン4は、埋入するインプランとは少ないものの、手術は必要ですので、ある程度のリスクと身体的負担は存在します。
  • 定期的なメンテナンスが必要
    入れ歯でも定期的なメンテナンスは必須ですが、インプラントの場合はそれ以上のメンテナンスが必要です。オールオン4による治療の場合、基本的に1年に1回から2回のメンテナンスを歯医者で行うのが最低ラインとなります。
  • 医師の技術が大切
    インプラントによる治療は手術が必要です。そのため、術者の技術力が低いと、満足な治療を受けることができないのです。オールオン4に限りませんが、インプラント治療を検討している場合は、多少遠くなるとしても慎重に歯医者選びを行い、技術力のある医師を見つけるのが重要と覚えておきましょう。

まとめ

今回は、「総入れ歯からインプラントは可能?」と題しまして、総入れ歯とオールオン4による治療の違いをご紹介してきました。この記事でもご紹介しましたが、全ての歯を失ってしまった場合の治療方法としては、総入れ歯による治療が有名です。しかし、入れ歯による治療は、コスト的、身体的な負担は少ないものの、その後の日常生活で多くの不便を強いられてしまうことになります。当然、好きなものをうまく噛めなくなって食べられなくなる…会話の際に入れ歯が外れるのが怖くて他人と会いたくなくなる…なんてことになると、口内の問題だけでなく、全身の健康にも悪影響を与えてしまうことになるでしょう。
近年では、インプラント治療によって、入れ歯のデメリットのほとんどを解消できるようになっています。特にオールオン4による治療であれば、長く入れ歯を使用したことで「インプラントは難しい…」と言われた方でも、問題なく治療を進められる可能性がありますので、総入れ歯の方の治療としては非常にオススメです。ただし、インプラント治療は、術者の確かな技術が非常に重要になりますので、歯科医院の治療実績などをもとに、慎重に歯医者選びを進めるようにしましょう。

-インプラント
-, ,

Copyright© マモインプラントクリニックマリオスからのお知らせ , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.