
歯の治療を「痛みがなくなったから」とか「忙しいから」といった理由で、途中でやめてしまった経験はありませんか。実は、その自己判断が将来的に大きな後悔につながる可能性があります。目先の負担を避けようとした結果、症状が悪化して治療期間が長引いたり、さらには治療費が何倍にも膨れ上がったりすることも少なくありません。この記事では、歯の治療を中断することが、あなたの将来の健康や経済状況にどのようなリスクをもたらすのかを具体的に解説します。治療中断が引き起こす具体的な問題と、後悔しないための賢い対処法を知ることで、安心して治療を完了させるための第一歩を踏み出せるでしょう。
「痛みが消えたから…」その判断、本当に大丈夫?歯の治療を中断する危険性
歯科治療では、一時的に痛みが和らいだとしても、それが必ずしも症状の治癒を意味するわけではありません。多くの方が「痛みがなくなったからもう大丈夫だろう」と自己判断して通院をやめてしまいますが、これは非常に危険な判断基準となりえます。
例えば、深い虫歯が神経にまで到達すると、歯の神経が死んでしまい、一時的に痛みが消えることがあります。しかし、これは虫歯が治ったわけではなく、むしろ細菌感染が歯の内部でさらに進行している証拠です。また、被せ物や詰め物の内部で虫歯が再発している場合でも、見た目には分かりにくく、痛みを感じにくいまま症状が悪化していくケースも少なくありません。歯周病に至っては、自覚症状がほとんどないまま静かに進行し、歯を支える骨が溶けてしまう病気ですので、痛みの有無だけで判断することはできません。
このように、お口の中で起きている問題は目に見えない部分で進行していることが多く、専門家による診断と治療の完了が不可欠です。痛みが消えたことを安易に「治った」と捉えて治療を中断すると、結果として取り返しのつかない状況を招いてしまう可能性があるため、歯科医師の指示に従い、最後まで治療を終えることが大切です。
なぜ治療を中断してしまうのか?よくある4つの理由
歯の治療を途中でやめてしまう理由は人それぞれですが、多くの患者さんが共通して抱える心理的・物理的な障壁がいくつかあります。まず、最も多いのが「仕事や家庭の事情で忙しい」という理由です。特に現場仕事や子育て中の方にとって、歯科医院への定期的な通院はスケジュールの調整が難しく、つい後回しにしてしまいがちです。
次に、「治療費への不安」も大きな要因です。保険診療内でも複数回の通院で費用がかさむことに加え、自費診療が必要となるケースでは、さらに費用の負担が大きくなることへの懸念から、治療の継続をためらってしまうことがあります。また、「痛みがなくなったことによる安心感」も中断につながる理由の一つです。一時的に症状が和らぐと、緊急性が低いと感じてしまい、せっかく始めた治療も中断してしまうのです。
さらに、「治療そのものへの恐怖心やストレス」も無視できません。歯科治療特有の痛みや音、独特の匂いに対する苦手意識や、長時間の治療に対する精神的な負担から、通院が億劫になり、結果的に中断を選んでしまう方もいらっしゃいます。これらの理由が複雑に絡み合い、治療中断という決断へと繋がっていくのです。
歯の治療中断が招く、後悔先に立たずの5大リスク
歯の治療を途中でやめてしまうと、「忙しいから仕方ない」「痛みがなくなったから大丈夫」といった一時的な安心感に囚われがちです。しかし、この自己判断による中断は、単なる治療の先延ばしではありません。将来の健康、大切な時間、そして経済的な負担という、取り返しのつかない深刻なリスクを招いてしまう恐れがあります。これから、虫歯や歯周病のさらなる悪化、激しい痛みによる神経治療や抜歯の可能性、治療期間の長期化、他の健康な歯への悪影響、さらには全身の健康を脅かす関連性といった、治療中断がもたらす具体的な5つの大きなリスクについて詳しく解説していきます。これらのリスクを事前に知ることで、後悔しない選択をするための重要な一歩となるでしょう。
リスク1:虫歯や歯周病が再発・悪化し、より深刻な状態に
治療を中断することで生じる最も直接的かつ一般的なリスクは、やはり虫歯や歯周病の再発と悪化です。例えば、虫歯治療の途中で仮の詰め物をしたまま通院をやめてしまうと、その仮詰め物が劣化したり外れたりして、内部に細菌が侵入しやすくなります。すると、一度削ってきれいにしたはずの歯の中で虫歯菌が再び増殖し、さらに深い部分へと進行してしまうのです。この状態が長く続くと、初期の治療では簡単に対応できたはずの虫歯が、神経にまで達するような深刻な状態へと悪化してしまいます。
また、歯周病の治療を中断した場合も同様です。歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどなく、痛みを感じる頃にはかなり進行しているケースが多く見られます。治療を途中でやめると、歯周病菌は再び活発になり、歯を支える骨をゆっくりと、しかし確実に溶かしていきます。痛みがないからといって放置してしまうと、歯がグラつき始めたり、最終的には抜歯せざるを得ない状況にまで追い込まれてしまうことも少なくありません。治療を再開しようと思った時には、以前よりもはるかに大規模で侵襲的な治療が必要となり、患者さんへの負担も大きくなってしまいます。
リスク2:神経の治療や抜歯につながる激痛の可能性
虫歯を放置することのもたらす最悪のシナリオの一つに、歯の神経(歯髄)にまで虫歯菌が達してしまうという事態があります。神経に細菌感染が起きると、歯の内部で炎症が起こり、その結果として「ズキズキとした耐え難い激痛」に見舞われることになります。この痛みは、冷たいものや熱いものがしみたり、何もしなくても夜間に突然襲ってきたりと、日常生活に大きな支障をきたすほど強烈なことが多いです。
このような状態になると、通常の虫歯治療では対応できず、歯の根の中にある神経を取り除く「根管治療」が必要になります。根管治療は、非常に細い器具を使って歯の根の内部を清掃・消毒する、高度な技術と時間を要する複雑な治療です。何度も通院が必要となるだけでなく、治療後も再感染のリスクがゼロではないため、その後の被せ物を含め、精神的・肉体的・経済的な負担が大きくなりがちです。
さらに、根管治療をしても感染が抑えきれない場合や、歯の破壊が進みすぎて歯として機能させることが難しいと判断された場合には、最終的に「抜歯」という選択をせざるを得なくなります。一度歯を失ってしまうと、その部分を補うためにはブリッジ、入れ歯、インプラントといった治療が必要となり、これもまた時間と費用、そして身体への負担を伴います。早期に治療を完了していれば避けられたはずの激痛や抜歯という事態は、治療中断の大きな代償と言えるでしょう。
リスク3:治療が複雑化し、通院回数と期間が大幅に増える
歯の治療を中断することは、治療にかかる「時間」というコストを大きく増大させる原因となります。症状が軽い段階であれば、比較的少ない通院回数で治療を終えることができたはずが、中断によって症状が悪化することで、治療内容そのものが複雑化してしまうためです。
例えば、初期の虫歯であれば、一度の通院で虫歯を削り、その日のうちに詰め物をして治療が完了することもあります。しかし、途中で治療をやめてしまい、虫歯が神経にまで達するほど悪化させてしまうと、その後に必要となるのは数回から十数回もの通院を要する根管治療です。さらに、根管治療の後に土台を立て、最終的な被せ物をするまでの期間も考慮すると、最初の詰め物治療と比較して、トータルの通院回数は倍以上に、治療期間は数ヶ月単位で長くなってしまうことが珍しくありません。
仕事や家庭の事情で忙しい方にとって、この通院回数と期間の増大は大きな負担となるでしょう。本来であれば短期で終わるはずだった治療が長引くことで、休みを取る回数が増えたり、家族との時間が削られたりする可能性も出てきます。このように、治療中断は目先の時間を節約しているようでいて、結果的にははるかに多くの時間を奪ってしまうという側面があるのです。
リスク4:健康な他の歯にも悪影響が及ぶ(噛み合わせの悪化など)
歯の治療中断は、問題の歯だけでなく、お口全体、さらには身体全体に「ドミノ倒し」のように悪影響を及ぼすことがあります。例えば、治療途中の歯に痛みや違和感があると、無意識のうちにその歯を避けて食事をするようになります。すると、片側の歯ばかりを使って噛む癖がつき、健康な側の歯に過度な負担がかかるようになり、結果としてその健康な歯まで傷めてしまうことがあります。
また、虫歯や歯周病が進行し、最終的に抜歯に至ったにも関わらず、その部分を放置してしまうと、隣接する歯が空いたスペースに傾いてきたり、噛み合う位置にあった歯が伸びてきたりする現象が起こります。これにより、全体の噛み合わせのバランスが大きく崩れてしまうのです。噛み合わせが悪くなると、特定の歯にばかり力がかかり続けて歯が欠けやすくなったり、顎関節に負担がかかり「顎関節症」を発症する原因になったりすることもあります。
このように、一つの歯の問題を放置することは、口腔内全体の調和を乱し、結果的に多くの健康な歯にまで悪影響を広げてしまうリスクがあります。お口の健康は、単独の歯ではなく、一口腔単位で総合的に考えることが非常に重要です。
リスク5:口腔内の問題が全身の健康を脅かすことも
歯の治療中断がもたらすリスクは、お口の中の問題だけに留まりません。実は、口腔内の状態は全身の健康と密接に関わっており、お口のトラブルを放置することは、将来的に全身の様々な病気のリスクを高めることにつながるのです。
特に、歯周病菌は心臓病、糖尿病、脳卒中といった全身の病気と関連が深いことが、近年の研究で明らかになっています。歯周病菌がお口の血管から体内に入り込み、全身を巡ることで、血管の内壁に炎症を起こして動脈硬化を促進したり、血糖値のコントロールを難しくして糖尿病を悪化させたりする可能性があります。また、高齢者においては、歯周病菌を含む細菌が唾液とともに誤って気管に入り込むことで、「誤嚥性肺炎」を引き起こす原因にもなります。
このように、単なるお口の痛みや不快感といった問題が、はるかに深刻な全身の健康問題へと発展する可能性があるのです。歯科治療を最後まで完了させ、お口の健康を保つことは、虫歯や歯周病の予防だけでなく、将来の大きな病気を防ぎ、健康寿命を延ばすための大切な投資であると言えるでしょう。
「安く済むはずが…」治療中断が費用に与える深刻な影響
歯の治療を中断する理由として、「費用への不安」を挙げる方は少なくありません。しかし、目先の出費を抑えたいという気持ちが、結果的にはるかに高額な治療費につながってしまうケースが非常に多いのです。治療を一時的にやめることで、将来的に、時間も費用もより多くかかってしまうという逆説的な事実は、多くの方が認識していないかもしれません。このセクションでは、治療中断がもたらす具体的な費用への影響を掘り下げていきます。短期的な判断が長期的に見ていかに不経済であるかを知っていただき、ご自身の口腔内の健康と家計を守るための参考にしてください。
放置するほど治療費は雪だるま式に増大する
歯の治療を中断し、問題を放置してしまうと、症状は確実に進行します。そして、症状が進行するにつれて、必要となる治療の範囲は広がり、複雑化していきます。例えば、初期の虫歯であれば、簡単な詰め物(インレー)で治療が完了し、保険適用で数千円程度で済むことが多いでしょう。しかし、治療を中断して虫歯が神経にまで達してしまうと、歯の神経を取り除く根管治療が必要になります。この根管治療は、非常に専門性が高く、複数回の通院が必要になる上に、治療後には土台を立ててから被せ物(クラウン)をするのが一般的です。
もし、根管治療をしても歯を救えないほど虫歯が進行してしまったり、歯が割れてしまったりした場合は、最終的に抜歯せざるを得ません。歯を失った後には、ブリッジ、入れ歯、またはインプラントといった治療法が選択肢となりますが、インプラント治療は1本あたり数十万円かかることも珍しくありません。このように、初期段階で治療を完了していればごくわずかな費用で済んだものが、中断して放置することで、治療が大規模になり、結果として費用が雪だるま式に増大していく、という原則をご理解ください。これは「先延ばしにするほど高くつく」という、誰もが避けたい現実なのです。
早期治療 vs 中断後の治療:費用の具体例
治療中断が費用に与える影響をより具体的にイメージしていただくために、簡単な例を挙げましょう。例えば、小さな虫歯ができたとします。この段階で保険適用のレジン充填(プラスチックの詰め物)であれば、治療費は数千円で済むことがほとんどです。しかし、これを忙しさや費用への不安から中断し、痛みがなくなったからと放置してしまったとします。
数ヶ月後、虫歯が神経にまで達して激しい痛みが出たため、再び歯科医院を受診することになった場合、根管治療が必要になるかもしれません。根管治療自体にも数回の通院と費用がかかり、その後には被せ物が必要になります。もし見た目を気にして保険適用外のセラミッククラウンを選択した場合、一本あたり10万円以上かかることもあります。さらに、万が一歯を抜かなければならない状態にまで悪化していた場合、インプラントを選択すると、1本あたり30万円から50万円以上の費用がかかることも珍しくありません。このように、数千円で済んだはずの治療が、中断によって数十万円、場合によってはそれ以上の費用に膨れ上がってしまう可能性があるのです。
もちろん、これはあくまで一般的な目安であり、実際の費用は歯科医院や症状、選択する治療法によって大きく異なります。しかし、治療を中断することによって、最終的な出費が大幅に増加する傾向にあることはご理解いただけたのではないでしょうか。早期に治療を完了させることが、結果として最も経済的な選択肢となるのです。
治療費だけじゃない!失われる「時間」というコスト
歯の治療中断がもたらす損失は、金銭的なものだけではありません。見過ごされがちですが、「時間」という大切な資源も大きく失われることになります。症状が悪化して治療が複雑になればなるほど、歯科医院への通院回数が増え、一度の治療時間も長くなる傾向があります。通院には、ご自宅や職場から歯科医院までの移動時間、待合室での待ち時間、そして実際の治療時間が必要です。これらの時間が積み重なると、年間で数時間、場合によっては数十時間もの貴重な時間が奪われることになります。
特に、お仕事を持つ方にとっては、通院のために仕事を早退したり、有給休暇を取得したりする必要が生じるかもしれません。その場合、仕事の機会損失や業務への支障という形で、間接的な金銭的コストも発生します。また、子育て中の方であれば、お子様の送迎や世話を調整する必要があるでしょう。家族や友人との大切な時間、趣味や自己啓発に充てたかった時間など、本来であれば有意義に使えたはずの時間が、治療のために奪われてしまうのです。こうした時間的な負担は、日々のストレスを増大させ、結果として生活の質(QOL)を低下させてしまうことにもつながりかねません。目先の忙しさから治療を中断した結果、より多くの時間を治療に費やすことになるという矛盾は、ぜひ避けたいものです。
「今からでも遅くない」治療を再開するための3つのステップ
歯の治療を中断してしまった時、「もう手遅れかもしれない」「怒られるのではないか」と不安に感じるかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。どんな状況であっても、治療はいつでも再開できますし、歯科医院のスタッフは、中断後の患者さんにも慣れていますので、安心して相談してください。これからご紹介する簡単な3つのステップを踏めば、スムーズに治療に戻ることができます。この記事が、あなたが次の一歩を踏み出す勇気を持つきっかけとなれば幸いです。
ステップ1:まずは歯科医院に相談する
治療を再開するために最も重要な最初の一歩は、歯科医院に連絡することです。電話やインターネット予約など、連絡手段はさまざまありますので、ご自身にとって最も手軽な方法を選んでみましょう。この一歩を踏み出すことで、あなたの将来の歯の健康を大きく左右する重要な転換点になるはずです。
多くの患者さんが、一度治療を中断した後に再び来院することを「気まずい」と感じたり、「怒られるのではないか」と心配したりします。しかし、歯科医師やスタッフは、様々な事情で治療が中断されることがあることを理解しています。決してあなたを責めることはありませんので、安心してください。中断の理由や期間に関わらず、まずは現在の状況を伝えることから始めましょう。
同じ歯科医院に行きづらい…どうすればいい?
もし、以前通っていた歯科医院に戻ることに抵抗があるようでしたら、他の歯科医院を探すことも全く問題ありません。以前の歯科医院には、あなたの過去の治療記録があるため、スムーズに話が進むというメリットもあります。一方、新しい歯科医院を探す場合は、治療中断の経験に理解があり、カウンセリングを重視してくれる医院を選ぶと良いでしょう。どちらの選択肢もあなたにとって最善であることに変わりはありませんので、ご自身が最も話しやすいと感じる医院を選んでください。
中断したことを正直に伝え、現状を診てもらう
歯科医院に連絡し、実際に診察を受ける際には、「以前治療を受けていたのですが、都合で中断してしまいまして、現状を診ていただけますでしょうか」のように、正直に状況を伝えてください。中断した理由(忙しさ、費用への不安など)や、現在の歯の症状、気になっていることなども伝えることで、歯科医師はあなたの状況をより深く理解し、現在の状態に合わせた最適な治療計画を立てやすくなります。遠慮せずに、あなたの不安や疑問を打ち明けることが、スムーズな治療再開への鍵となります。
ステップ2:再検査と新しい治療計画の確認
歯科医院を再訪すると、まずはお口の中の状況を確認するための再検査が行われます。治療を中断していた期間、あなたの口腔環境は変化している可能性が高いので、レントゲン撮影や口腔内写真の撮影など、詳細な検査が行われるのが一般的です。これは、現在の歯や歯茎、骨の状態を正確に把握し、最適な治療法を見つけるために非常に大切なステップです。
検査結果に基づいて、歯科医師から現在の症状や、それに対する治療の選択肢がいくつか提示されます。中断前の治療計画とは異なる内容になることもありますので、新しい治療計画についてしっかりと説明を聞きましょう。この段階で、これからの治療の全体像や見通しが明確になり、治療に対する不安も大きく軽減されるはずです。
費用や期間の見積もりをしっかり確認する
新しい治療計画が提示されたら、費用の総額や治療完了までのおおよその期間、通院回数について、遠慮せずに質問し、具体的な見積もりをしっかりと確認しましょう。特に、「総額でどのくらいの費用がかかるのか」「治療完了までにおおよそどのくらいの期間や回数がかかるのか」という点は、多くの方が最も気にされるポイントです。もし複数の治療選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリット、費用、期間の違いについても詳しく説明を求め、ご自身が納得した上で治療法を選択できるようにしましょう。これにより、治療途中で予期せぬ出費や期間の延長に戸惑うことなく、安心して治療を進められます。
ステップ3:治療費の負担を軽減する方法を相談する
費用への不安から治療を中断してしまった方にとって、治療費の負担は大きな懸念事項でしょう。しかし、心配はいりません。治療費の負担を軽減するための方法はいくつか存在しますので、まずは歯科医院に相談してみることをおすすめします。治療計画の段階で費用についてオープンに話し合うことで、無理なく治療を続けられる道が見つかる可能性が高まります。金銭的な理由でせっかく再開した治療を諦めることがないよう、積極的に相談してみましょう。
保険適用範囲の確認
治療費を把握する上でまず大切なのは、保険が適用される治療と、適用されない自費治療(自由診療)の範囲を明確に確認することです。例えば、被せ物の材質一つをとっても、保険適用か自費治療かで費用が大きく変わることがあります。どの部分にどれだけの費用がかかり、その内訳はどうなっているのかを詳しく説明してもらいましょう。これにより、予期せぬ出費を防ぎ、治療内容と費用のバランスを理解した上で安心して治療に臨むことができます。
デンタルローンや分割払いの活用
もし、高額になりがちな自費治療を選択する場合には、デンタルローンやクレジットカードの分割払い、あるいは歯科医院独自の分割払い制度といった支払い方法も活用できます。これらの選択肢を利用することで、一度にかかる経済的な負担を分散させ、月々の支払いを無理のない範囲に抑えることが可能です。金融機関や歯科医院によって条件は異なりますので、詳細をしっかりと確認し、ご自身のライフスタイルに合った支払い方法を選びましょう。これにより、金銭的な理由で治療を諦めることなく、質の高い治療を受けることができるようになります。
二度と中断しないために知っておきたいこと
一度治療を再開されたからには、今度こそ最後まで治療をやり遂げたいとお考えのことでしょう。歯の治療の中断は、実は「癖」になりやすいものです。しかし、根性論だけで頑張るのではなく、治療を継続するための仕組みや考え方を変えることで、無理なく最後まで治療を続けることができます。ここでは、そのための具体的なポイントを解説していきます。
信頼できる歯科医師とのコミュニケーションの重要性
歯の治療を継続する上で、歯科医師との良好な関係を築くことは非常に大切です。ご自身の不安や疑問、希望を率直に話せる歯科医師を見つけることが、治療へのモチベーションを維持する上で大きな価値となります。
例えば、「痛いのが苦手で、できるだけ麻酔を使ってほしい」「治療費が心配なので、保険適用内でできる範囲を教えてほしい」「仕事で忙しいので、通院回数を減らす工夫はないか」といった具体的な要望や懸念事項を、遠慮せずに伝えてみてください。歯科医師も患者様の状況を理解することで、より一人ひとりに合った治療計画を提案しやすくなります。信頼関係が築ければ、治療に対する不安も軽減され、安心して通院を続けられるでしょう。
自分のライフスタイルに合った通院計画を立てる
治療を中断する理由として多く聞かれるのが、「忙しくて通院できない」というものです。この問題を解決するためには、受動的に歯科医院の予約を受け入れるのではなく、ご自身のライフスタイルに合わせた通院計画を積極的に立てることが重要です。
治療計画を話し合う際に、ご自身の仕事のシフトや家庭の事情を歯科医師やスタッフに伝えてみてください。例えば、「〇曜日の午前中なら通いやすい」「次の予約は少し先になるが、この日にしてほしい」といった具体的な希望を伝えることで、無理のない通院スケジュールを一緒に作ってもらうことができます。ご自身が主体的に計画に関わることで、通院の継続率が格段に高まります。無理のない計画は、ストレスなく治療を完遂するための大きな助けとなるでしょう。
治療完了はゴールではない!予防歯科で健康な歯を維持しよう
「治療が完了したからもう大丈夫」と思われがちですが、実は治療の完了は健康な状態を維持するための新たなスタート地点です。治療で改善されたお口の状態を長く保つためには、治療後も定期的な検診やクリーニング(メンテナンス)を受ける「予防歯科」の考え方が非常に大切です。
定期的なメンテナンスでは、虫歯や歯周病のチェック、歯石除去、フッ素塗布などが行われます。これにより、虫歯や歯周病の再発を未然に防ぐことができ、結果的に将来の大きな治療や予期せぬ出費を避けるための最も効果的で経済的な方法となります。辛い治療を繰り返さないためにも、日々の丁寧なセルフケアと、プロによる定期的なケアを組み合わせることで、健康な歯を長く維持していきましょう。
まとめ:将来の健康と費用のために、今日からできる一歩を踏み出そう
ここまで、歯の治療を途中でやめてしまうことで、どのようなリスクが生じるのか、そして費用や時間といったコストにどう影響するのかを詳しく見てきました。一時的な安心感や多忙、費用への不安から治療を中断してしまう気持ちは、多くの方が抱えていることでしょう。しかし、その選択が結果的に、虫歯や歯周病の悪化、神経の治療や抜歯といった深刻な事態、さらには全身の健康問題へとつながりかねません。
また、目先の出費を抑えようとしたことが、最終的にはより複雑で高額な治療費、そして治療に費やす時間の増大を招くこともお伝えしました。治療中断は単なる先延ばしではなく、将来の自分自身への大きな「負債」となって跳ね返ってくる可能性があるのです。
しかし、ご安心ください。治療を中断してしまったとしても、決して「もう手遅れ」ということはありません。この記事でご紹介したように、まずは歯科医院に連絡を取り、現状を正直に伝えることから始めましょう。新しい治療計画を相談し、費用面での不安があれば、分割払いなども含めて積極的に相談してください。
あなたの未来の健康と、不要な出費を避けるために、まずは今日、一歩を踏み出してみませんか。歯科医院への一本の電話が、あなたの後悔しない未来を作るための大切な転換点となるはずです。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
高橋 衛 | Takahashi mamoru
岩手医科大学歯学部卒業後、岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座入局し、
医療法人 高橋衛歯科医院設立 理事長就任、MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS 開設
【所属】
・日本歯科医師会
・岩手県歯科医師会
・盛岡市歯科医師会
・歯科医師臨床研修指導歯科医
・岩手県保険医協会
・日本口腔外科学会
・日本口腔インプラント学会
・EUROPEAN ASSOCIATION FOR OSSEOINTEGRATION
・AMERICAN ACADEMY PERIODONTOLOGY
・岩手医科大学歯学会
・デンタルコンセプト21 会員
・日本歯科東洋医学会
・JIADS Club 会員
・P.G.I Club 会員
・スピード矯正研究会 会員
・床矯正研究会 会員
・近代口腔科学研究会 会員
【略歴】
・岩手医科大学歯学部 卒業
・岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座 入局
・「高橋衛歯科医院」 開業
・「MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS」 開業
盛岡市で評判・インプラント治療なら
『マモ インプラントクリニックマリオス』
住所:岩手県盛岡市盛岡駅西通2丁目9−1
TEL:019-645-6969