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ワイヤー矯正中の歯磨きのコツ|5分で完了!時短でもキレイを保つ方法

投稿日:2025年11月22日 更新日:

ワイヤー矯正中の歯磨きのコツ|5分で完了!時短でもキレイを保つ方法
盛岡市にあるインプラント・矯正専門歯科、マモ インプラントクリニックマリオスです。

ワイヤー矯正中は、ブラケットやワイヤーといった複雑な装置が口の中にあるため、どうしても食べ物が挟まりやすく、歯磨きに時間がかかりがちです。その結果、磨き残しが増えて虫歯や歯周病のリスクが高まったり、口臭が気になったりすることもあるかもしれません。しかし、ご安心ください。この記事を最後まで読んでいただければ、忙しい毎日の中でもわずか5分で完了する、効率的かつ効果的な歯磨き方法がわかります。矯正治療を成功に導くための口腔ケアを実践し、理想の笑顔を手に入れましょう。

なぜワイヤー矯正中は歯磨きが重要?虫歯や口臭のリスクも

ワイヤー矯正治療中は、普段と比べて格段に歯磨きの重要性が高まります。これは、歯列矯正装置であるブラケットやワイヤーが、口の中に多くの「磨き残しポイント」を生み出してしまうためです。装置の周りには食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすく、これが虫歯や歯周病、口臭といった口腔トラブルの温床となります。もし歯磨きを怠ってしまうと、単に口の中が不快になるだけでなく、歯の健康そのものを損ない、最終的には矯正治療の進行にも悪影響を及ぼすことになりかねません。

矯正治療は数年にわたることも多く、その間ずっと装置を装着しています。この長期間にわたり、口腔内の清掃が不十分な状態が続くと、ブラケット周辺に虫歯が発生したり、歯茎が炎症を起こして歯周病が悪化したりするリスクが飛躍的に高まります。また、装置に絡みついた食べかすやプラークは、不快な口臭の原因にもなります。これらのトラブルは、せっかく始めた矯正治療のモチベーションを低下させるだけでなく、治療の継続を困難にさせる可能性も秘めているのです。

虫歯や歯周病が進行してしまうと、矯正治療を一時中断してこれらの治療を優先しなければならないケースもあります。そうなると、治療期間が延びるだけでなく、余計な治療費がかかってしまうこともあります。美しい歯並びを手に入れるためには、日々の丁寧な口腔ケアが不可欠です。適切な歯磨き方法を身につけ、矯正期間中も健康な口元を保つことが、治療を成功させるための重要な鍵となります。

複雑な矯正装置がプラーク(歯垢)の温床に

ワイヤー矯正で使用するブラケットやワイヤーといった装置は、歯の表面に複雑な凹凸を作り出します。この複雑な構造が、食べかすやプラーク(細菌の塊である歯垢)が溜まりやすい「温床」となってしまうのです。特に、ブラケットの周囲やワイヤーの下、歯とブラケットの境目、そして奥歯の裏側などは、通常の歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが発生しやすいエリアとなります。

プラークは細菌の塊であり、食事によって摂取した糖分を分解して酸を作り出します。この酸が歯を溶かすことで虫歯が発生し、歯周病の原因にもなります。矯正装置があることで、セルフケアの難易度が格段に上がり、意識的に丁寧な歯磨きをしないと、あっという間にプラークが蓄積してしまいます。日々の生活の中で、いかにこれらの届きにくい箇所を効率的に清掃するかが、矯正治療中の口腔ケアにおける最大の課題といえるでしょう。

歯磨きを怠ると起こる4つのトラブル

ワイヤー矯正中に歯磨きを怠ってしまうと、単に口の中が汚れるだけでなく、さまざまな口腔トラブルを引き起こすリスクが高まります。これらのトラブルは、矯正治療の成功を妨げ、治療期間の延長や、さらなる治療が必要になる可能性もあります。ここでは、不十分な歯磨きが原因で起こりやすい4つの代表的なトラブル、「虫歯や歯周病のリスクが高まる」「口臭の原因になる」「歯の着色やホワイトスポット(白斑)ができる」「治療期間が延びる可能性も」について詳しく解説します。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

ワイヤー矯正中は、ブラケットやワイヤーが歯の表面に付着しているため、プラーク(歯垢)が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが通常よりも高まります。プラーク中の細菌が糖分を分解して作り出す酸は、歯のエナメル質を溶かし始めます。これを「脱灰」と呼び、虫歯の初期段階です。特にブラケットの周囲はプラークが滞留しやすく、脱灰が起こりやすい箇所の一つです。装置を外した際に、ブラケットの形に沿って虫歯ができてしまっているケースも少なくありません。

また、歯と歯茎の境目にプラークが溜まると、歯茎が炎症を起こし「歯肉炎」を発症します。歯肉炎は、歯茎の腫れや出血を伴いますが、進行すると歯を支える骨まで破壊されてしまう「歯周病」へと悪化する可能性があります。歯周病が進行すると、歯の移動が計画通りに進まなくなったり、最悪の場合は矯正治療の継続が困難になったりすることもあります。健康な歯と歯茎を保つためにも、矯正中の丁寧な口腔ケアが不可欠です。

口臭の原因になる

矯正治療中に口臭が気になるという方は少なくありませんが、その主な原因は、磨き残されたプラークや食べかすです。ブラケットやワイヤーの周りには、歯ブラシでは届きにくい隙間が多く存在し、そこに食べかすが挟まりやすくなります。これらの食べかすや、歯に付着したプラーク中の細菌が、口の中でタンパク質を分解する際に「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれるガスを発生させます。このVSCこそが、不快な口臭の正体なのです。

特に、ワイヤー矯正中は唾液の自浄作用が届きにくい箇所が多くなり、細菌が繁殖しやすい環境となります。口臭は、ご自身だけでなく周囲の人にも不快感を与えてしまう可能性があるため、日々の丁寧な歯磨きで口腔内を清潔に保つことが、口臭予防に直接つながります。食後のうがいや、補助清掃用具を効果的に活用して、口の中の食べかすやプラークを徹底的に除去するよう心がけましょう。

歯の着色やホワイトスポット(白斑)ができる

ワイヤー矯正治療中は、歯の見た目に関するトラブルにも注意が必要です。一つは「着色」の問題です。コーヒーや紅茶、カレーなどの色素が、ブラケットやワイヤーの周り、あるいは歯の表面に付着しやすくなります。装置の複雑な形状が、色素の沈着を助長し、歯全体が黄ばんだり、一部が変色したりすることがあります。これは見た目の美しさを損なう原因となります。

もう一つ、より深刻な問題として挙げられるのが「ホワイトスポット(白斑)」の発生です。これは、ブラケットの周りにプラークが長期間付着した結果、歯の表面のエナメル質が脱灰し、白く濁った状態になる初期虫歯の一種です。装置を外した際に、ブラケットが付いていた部分は元の歯の色で、その周囲だけが白く残ってしまうため、非常に目立ちます。ホワイトスポットは一度できてしまうと、自然に元に戻ることはほとんどなく、審美的な治療が必要になる場合もあります。矯正治療後に後悔しないためにも、徹底したプラークコントロールによる予防が極めて重要です。

治療期間が延びる可能性も

ワイヤー矯正中の口腔衛生状態が悪いと、矯正治療の計画全体に大きな影響が及ぶ可能性があります。最も避けたい事態として、治療期間の延長が挙げられます。例えば、もし治療中に虫歯ができてしまった場合、その虫歯が大きければ、一度ワイヤーを撤去して虫歯治療を優先しなければなりません。これにより、歯の移動が中断され、治療計画に大幅な遅れが生じることになります。

また、歯肉炎や歯周病が悪化した場合も、炎症が強い状態では歯の移動が困難になるため、一時的に矯正力を弱めたり、治療を中断して歯周病治療を行ったりする必要が生じます。このような口腔トラブルが発生すると、予定していた治療期間が延びるだけでなく、追加の治療費用が発生したり、精神的な負担が増大したりする可能性があります。順調に矯正治療を進め、予定通り美しい歯並びを手に入れるためには、日々の口腔ケアでトラブルを未然に防ぐことが非常に重要です。

【基本編】5分で完了!ワイヤー矯正中の時短歯磨き術

ワイヤー矯正中は、装置があるために歯磨きが難しく、時間がかかると感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、これからご紹介する3つのステップを実践すれば、わずか5分で矯正装置の周りもきれいに保つことができます。「難しい」「面倒」というイメージを払拭し、忙しい毎日でも誰でも実践できる効率的かつ効果的な歯磨き方法で、矯正治療中の口腔ケアを成功させましょう。

ステップ1:まずは「うがい」で大きな汚れを洗い流す(30秒)

歯磨きの最初のステップは、食後の「うがい」です。このうがいの目的は、歯ブラシを当てる前に、装置に挟まった大きな食べかすを物理的に洗い流すことにあります。水やぬるま湯を口に含み、口全体に水を行き渡らせるように、ぶくぶくうがいを約30秒間しっかり行いましょう。これにより、その後のブラッシングが格段に効率的になり、磨き残しを防ぐことにもつながります。

ステップ2:歯ブラシ1本で磨くべき3つのエリア(3分)

次に、通常の歯ブラシを使って磨くべき3つの重要なエリアに焦点を当てて清掃を進めます。このステップには約3分間をかけ、以下の①ワイヤーの上下、②ブラケットの周り、③歯と歯茎の境目を意識して丁寧に磨きましょう。それぞれのエリアを意識的に磨き分けることが、磨き残しを減らし、効率的な歯磨きを可能にする鍵となります。

①ワイヤーの上下を磨く

ワイヤーの上下は、特に食べかすやプラークが溜まりやすい部分です。まず、歯ブラシの毛先をワイヤーの上側から歯面に対して45度の角度で斜めに入れ、小刻みに振動させるように磨きます。次に、同様に歯ブラシの毛先をワイヤーの下側からも45度の角度で入れ、毛先が歯面にしっかり当たるように意識しながら小刻みに磨きましょう。この角度と動きを意識することで、ワイヤー周りの汚れを効率的に除去できます。

②ブラケット(矯正装置)の周りを磨く

ブラケットの周りは、凹凸が多く、歯ブラシの毛先が届きにくい箇所です。ここでは、歯ブラシのつま先やかかと部分を効果的に活用しましょう。歯ブラシを縦に当てたり、様々な角度からブラケットの側面や歯との境目に毛先が当たるようにアプローチしたりして、一つひとつのブラケットを意識して丁寧に磨くことが重要です。力を入れすぎず、毛先で汚れをかき出すようなイメージで優しく清掃してください。

③歯と歯茎の境目を磨く

歯周病予防において非常に重要なのが、歯と歯茎の境目(歯頸部)の清掃です。歯ブラシの毛先を歯茎に対して45度の角度で優しく当て、軽い力で小刻みに動かすように磨きます。円を描くようにマッサージする磨き方も効果的です。この部分はデリケートなため、歯茎を傷つけないよう、力加減には特に注意しましょう。丁寧に磨くことで、歯肉炎のリスクを低減できます。

ステップ3:補助アイテムで磨き残しをゼロに(1分30秒)

基本的な歯ブラシでの清掃が終わったら、約1分30秒をかけて補助アイテムを使い、磨き残しを徹底的に除去しましょう。歯ブラシだけでは届かない細かい隙間やワイヤーの裏側などを、タフトブラシや歯間ブラシといった専用のアイテムで清掃することで、磨き残しを限りなくゼロに近づけられます。この「仕上げ」のステップが、虫歯や歯周病、着色などのトラブルを防ぐために非常に重要です。

キレイを加速!時短を叶えるワイヤー矯正中の必須アイテム4選

ワイヤー矯正中の歯磨きは、通常の歯磨きに比べて手間がかかるものですが、適切な補助アイテムを活用することで、効率的に口腔内を清潔に保ち、歯並びだけでなく口全体の健康も守ることができます。毎日のケアにこれらをプラスするだけで、磨き残しを劇的に減らし、「時短」と「キレイ」を両立させることが可能です。

このセクションでは、矯正歯科医も推奨する、ワイヤー矯正中の口腔ケアを強力にサポートしてくれる必須アイテムを4つご紹介します。タフトブラシ、歯間ブラシ、矯正用フロス、そしてジェットウォッシャーといったアイテムが、それぞれどのように機能し、どのように毎日の歯磨きを助けてくれるのかを詳しく見ていきましょう。

①タフトブラシ|ブラケット周りの救世主

タフトブラシ(ワンタフトブラシ)は、通常の歯ブラシでは届きにくい狭い部分や、特定の箇所をピンポイントで磨くために特化した小型の歯ブラシです。毛束が小さく、山形やドーム型にカットされているのが特徴で、これがワイヤー矯正装置のブラケット周りや、ワイヤーと歯の間といった複雑な形状の清掃に抜群の効果を発揮します。

まさに「ブラケット周りの救世主」とも言えるこのアイテムは、通常の歯ブラシの毛先が届かないブラケットの側面や、装置と歯茎の境目にぴったりフィットします。使い方はとても簡単で、ペンを持つように軽く握り、軽い力でブラケットやワイヤーの周りに毛先を当てて、くるくると円を描くように優しく磨きます。これにより、プラークを効率的にかき出すことができ、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことが期待できます。

②歯間ブラシ|ワイヤー下の汚れをごっそり除去

歯間ブラシは、歯と歯の間だけでなく、ワイヤー矯正装置のワイヤーの下に溜まりやすい汚れを除去するために不可欠なアイテムです。通常の歯ブラシでは、ワイヤーが邪魔をして歯と歯の間やワイヤーの下には毛先が届きませんが、歯間ブラシは細いブラシ部分をこれらの隙間に挿入して清掃することができます。

歯間ブラシを選ぶ際は、ご自身の歯間や装置の隙間に合ったサイズを選ぶことが非常に重要です。サイズが合わないと、汚れが十分に除去できなかったり、歯茎や装置を傷つけてしまったりする可能性があります。そのため、まずはかかりつけの歯科医院で相談し、適切なサイズを教えてもらうことをおすすめします。使い方は、ワイヤーの下にゆっくりと歯間ブラシを挿入し、前後に数回動かして汚れをかき出します。これを全ての歯間とワイヤー下で行うことで、磨き残しを効果的に減らすことができます。

③矯正用フロス(フロススレッダー)|歯と歯の間のケアに

ワイヤー矯正中は、ワイヤーが歯と歯の間を塞いでしまうため、通常のデンタルフロスを通すことができません。しかし、歯と歯の間の清掃(フロッシング)は、隣接面う蝕(歯と歯の間の虫歯)を防ぐ上で非常に重要です。そこで活躍するのが、矯正用に工夫されたフロスアイテムです。

一つは「フロススレッダー」と呼ばれる、糸通しのような器具を使う方法です。フロススレッダーのループ部分にデンタルフロスを通して、ワイヤーの下から歯と歯の間に通し、通常通りフロッシングを行います。もう一つは、先端が硬く加工されており、そのままワイヤーの下に通せる「スーパーフロス」のような矯正専用フロスを使用する方法です。これらのアイテムを使うことで、ワイヤーがあっても歯と歯の間のプラークをしっかりと除去し、虫歯予防に繋げることができます。

④ジェットウォッシャー(口腔洗浄器)|水流で爽快クリーニング

ジェットウォッシャー(口腔洗浄器)は、強力な水流を利用して、歯ブラシでは届きにくい装置の隙間や歯間の食べかす、浮き上がったプラークを効率的に洗い流すことができる補助的な清掃器具です。水圧によって口の中全体を洗浄するため、使用後は非常に爽快感があり、口臭予防にも役立ちます。

特にワイヤー矯正中は、ブラケットやワイヤーの周りに食べ物が詰まりやすいため、食後のちょっとしたケアとして活用すると効果的です。ただし、注意が必要なのは、ジェットウォッシャーはあくまでも補助的な清掃器具であるという点です。歯ブラシやフロスによる機械的な清掃、つまり「こすり落とす」という行為は、プラークを完全に除去するために不可欠です。ジェットウォッシャーだけで歯磨きを済ませるのではなく、歯ブラシやフロスでのブラッシングの後に併用することで、口腔ケアの効果を最大限に高めることができます。

【シーン別】ワイヤー矯正中の歯磨きに関するQ&A

ワイヤー矯正中は、装置があることで普段とは異なるお口のトラブルや疑問が生じやすくなります。ここでは、日々の生活の中で多くの患者様が抱えるであろう「外出先でのケア」や「痛みがあるときの対処法」、さらには「電動歯ブラシの使用」や「おすすめの歯磨き粉」といった具体的な疑問にお答えします。専門的な視点から、矯正治療中の皆さまが安心して口腔ケアに取り組めるような実践的な情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。

Q. 外出先で歯磨きできないときはどうすればいい?

学校や職場など、食後すぐに歯磨きができない場面は多いものです。そのような時は、まず「強めのうがい」を徹底することが非常に大切です。水やぬるま湯で口をぶくぶくとすすぎ、装置に挟まった大きな食べかすを物理的に洗い流すだけでも、虫歯や口臭のリスクを大きく減らすことができます。可能であれば、小さく折りたためる携帯用歯ブラシと歯磨き粉をポーチに入れて持ち歩き、食後にサッと磨く習慣をつけることをおすすめします。

また、キシリトール100%配合のガムを噛むことも効果的ですが、装置に引っかかったり、外れたりする可能性もありますので、事前にかかりつけの矯正歯科医に確認してから取り入れるようにしましょう。さらに、殺菌成分の入ったマウスウォッシュも、口内を一時的に清潔に保ち、口臭予防に役立ちます。いくつかの方法を組み合わせて、ご自身のライフスタイルに合った外出先でのケアを見つけてみてください。

Q. 調整後など歯が痛くて磨けないときの対処法は?

矯正装置の調整後は、歯に力がかかることで痛みが生じやすく、歯磨きがつらく感じることがあります。しかし、痛みがあるからといって歯磨きを完全に中断してしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、できる範囲でケアを続けることが重要です。痛みが強い場合は、無理にゴシゴシ磨かず、毛先が非常に柔らかい「やわらかめ」の歯ブラシを使用しましょう。

歯磨きをする際は、冷たい水よりもぬるま湯を使うと、歯への刺激を和らげることができます。また、タフトブラシなどの補助アイテムを使い、痛む部分を避けて、ブラケットの周りや歯と歯茎の境目を優しく丁寧に磨いてください。殺菌成分の入った洗口液を併用することも、口内環境を清潔に保つのに有効です。痛みが数日続くようであれば、歯科医院に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

Q. 電動歯ブラシは使ってもいい?

ワイヤー矯正中に電動歯ブラシを使用することは、基本的に可能です。むしろ、適切に使用すれば手磨きでは難しい細かな振動や回転で、装置の隙間や歯周ポケットのプラークを効率的に除去できるメリットもあります。ただし、いくつか注意点がありますので、必ずかかりつけの矯正歯科医に相談し、許可を得てから使用するようにしてください。

電動歯ブラシを使用する際は、ブラシを歯や装置に強く当てすぎないことが大切です。圧力センサー付きのモデルであれば、適切な力加減を教えてくれるのでおすすめです。また、矯正装置専用のブラシヘッドが市販されている場合は、それらを使用するとより効果的です。振動によって装置が外れたり、ワイヤーが変形したりするリスクもゼロではありませんので、使い方に不安がある場合は必ず歯科医院で指導を受けるようにしましょう。

Q. おすすめの歯磨き粉はある?

ワイヤー矯正中の歯磨き粉選びでは、虫歯予防効果の高い「フッ素高配合」の製品を第一に選ぶことをおすすめします。フッ素は歯の再石灰化を促し、歯質を強化することで虫歯になりにくい状態を作ってくれます。特に、ブラケットの周囲は虫歯のリスクが高いため、フッ素の力は非常に重要です。

また、矯正装置の複雑な隙間に成分が届きやすく、かつ装置を傷つけにくい「低研磨・低発泡」タイプ、あるいは「ジェルタイプ」の歯磨き粉も使いやすいでしょう。泡立ちが少ないことで、丁寧に磨けているかを確認しながらケアを進めることができます。もし知覚過敏の症状がある場合は、その症状を緩和する成分が配合された歯磨き粉を選ぶのも良い選択です。一方で、研磨剤が多く含まれるホワイトニング歯磨き粉は、装置を傷つけたり、ブラケットの周りにムラができてしまったりする可能性があるため、避けるのが賢明です。

時短セルフケアと合わせて!歯科医院でのプロのクリーニングも重要

ワイヤー矯正中は、ご自宅でのセルフケアはもちろん大切ですが、どんなに丁寧に磨いても、どうしても磨き残しが出てしまうものです。特に、矯正装置があることで複雑になった口内は、歯ブラシの届きにくい部分が多く、時間が経つと硬い歯石となってこびりついてしまいます。そのため、日々の「時短歯磨き術」と合わせて、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアを組み合わせることが、矯正治療を成功させるための重要な鍵となります。

プロのクリーニングでは、セルフケアでは取り除けない汚れを徹底的に除去し、口腔内環境をリセットします。これにより、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らし、快適な矯正生活を送ることができます。ご自宅でのケアと歯科医院でのケアを両立させることで、矯正期間中の口腔内の健康を最大限に保ち、美しい歯並びを手に入れましょう。

定期検診で磨き残しをリセット

歯科医院での定期的なクリーニングは、ワイヤー矯正中に蓄積されやすい磨き残しや歯石を「リセット」するために不可欠です。ご自身での歯磨きでは除去しきれない、硬く石灰化したプラーク(歯石)は、歯科衛生士が専門的な器具であるスケーラーなどを使って丁寧に取り除きます。

矯正装置の周りや歯と歯茎の境目、ワイヤーの下などは特に歯石がつきやすく、放置すると虫歯や歯周病のリスクが高まります。定期的にプロのクリーニングを受けることで、これらのリスクを大幅に低減し、常に清潔な口腔環境を維持できるという大きなメリットがあります。

自分に合った歯磨き方法の指導を受ける

定期検診は、単に歯をきれいにしてもらうだけでなく、ご自身の歯磨きスキルを向上させる絶好の機会でもあります。歯科衛生士は、染め出し液などを使って普段の磨き残し箇所を具体的に示し、患者様一人ひとりの歯並びや矯正装置の状態に合わせた、より効果的な歯ブラシの当て方や補助清掃用具の使い方を丁寧に指導してくれます。

「ブラケットの周りはこの角度で磨くと良いですよ」「この部分には歯間ブラシのSサイズがぴったりです」といった具体的なアドバイスは、毎日のセルフケアの質を格段に高めます。プロから直接フィードバックをもらい、正しい磨き方を身につけることで、ご自宅でのケアもより自信を持って効率的に行えるようになるでしょう。

まとめ

ワイヤー矯正中の歯磨きは、装置が複雑なため手間がかかるものですが、この記事でご紹介した「5分で完了する時短歯磨き術」と「便利な補助アイテム」を上手に活用することで、効率的かつ確実に口腔内の清潔を保つことができます。

毎日のセルフケアを習慣化し、歯磨きを「面倒なもの」ではなく「自信につながるもの」と捉えてみましょう。特に、タフトブラシや歯間ブラシ、矯正用フロスなどは、手軽にセルフケアの質を高めることができるため、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

そして、セルフケアだけでは限界がある磨き残しや歯石の除去は、歯科医院での定期的なプロフェッショナルクリーニングに頼ることが大切です。日々の努力とプロのサポートを組み合わせることで、虫歯や歯周病を防ぎ、矯正治療を計画通りに進めることができます。

最終的に、清潔で健康な口腔環境は、矯正治療の成功だけでなく、美しく整った歯並びと自信あふれる笑顔を手に入れるための大切な一歩となります。ワイヤー矯正中の今だからこそ、ご紹介したケア方法を実践して、理想の口元を目指しましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

高橋 衛 | Takahashi mamoru
岩手医科大学歯学部卒業後、岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座入局し、
医療法人 高橋衛歯科医院設立 理事長就任、MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS 開設

 

【所属】
日本歯科医師会
岩手県歯科医師会
盛岡市歯科医師会
歯科医師臨床研修指導歯科医
岩手県保険医協会
日本口腔外科学会
日本口腔インプラント学会
EUROPEAN ASSOCIATION FOR OSSEOINTEGRATION
AMERICAN ACADEMY PERIODONTOLOGY
岩手医科大学歯学会
デンタルコンセプト21  会員
日本歯科東洋医学会
JIADS Club  会員
P.G.I Club 会員
スピード矯正研究会  会員
床矯正研究会 会員
近代口腔科学研究会 会員


【略歴】
岩手医科大学歯学部 卒業
岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座 入局
「高橋衛歯科医院」 開業
「MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS」 開業

 

盛岡市で評判・インプラント治療なら
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住所:岩手県盛岡市盛岡駅西通2丁目9−1
TEL:019-645-6969

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