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ホワイトニング適応外の方へ:美しい歯を目指す安全な方法とは

投稿日:2025年10月4日 更新日:

ホワイトニング適応外の方へ:美しい歯を目指す安全な方法とは
マモインプラントクリニック マリオスです。

歯を白くするホワイトニングは、多くの方が関心を持つ施術ですが、実は誰もが受けられるわけではありません。お口の健康状態や歯の質によっては、ホワイトニングが適さないケースがあります。この記事では、どのような場合にホワイトニングが推奨されないのか、そして、もしホワイトニングができないと判断された場合に、どのようにすれば美しい歯を目指せるのか、その具体的な代替案について詳しくご紹介します。

はじめに:ホワイトニングが誰にでも適しているわけではない理由

歯を白くするホワイトニングは、近年非常に人気が高く、多くの方がその効果を期待されています。しかし、ホワイトニングはすべての方に適した処置というわけではありません。これは、ホワイトニングが歯の表面の着色を落とすだけでなく、過酸化水素や過酸化尿素といった薬剤を使い、歯の内部にある色素を化学的に分解することで歯を白くする、医療行為であるためです。

この薬剤による化学反応は、確かに歯を白くする効果が期待できますが、すべての人にとって安全で効果的な結果をもたらすとは限りません。お口の状態によっては、ホワイトニング剤が刺激となり、痛みやその他のトラブルを引き起こす可能性もあります。また、歯の変色の原因によっては、ホワイトニングをしても期待する効果が得られない場合もあります。

そのため、ホワイトニングを受ける際には、ご自身の健康状態や歯の状態を考慮することが非常に重要です。大きく分けて「健康上の理由」と「歯の状態による理由」の2つの観点から、ホワイトニングが難しいケースがあることを理解しておくことが大切です。次からの項目で、具体的な理由を詳しく見ていきましょう。

ホワイトニングが適応外となる主なケース

ホワイトニングは歯を白くする有効な方法ですが、すべての方に適用できるわけではありません。このセクションでは、どのような場合にホワイトニングが適応外となるのかを具体的に掘り下げていきます。大きく分けて「健康上の問題からホワイトニングを避けるべきケース」と、「歯の状態によってホワイトニングの効果が期待できない、あるいは受けるべきではないケース」の2つのカテゴリから、詳しくご説明します。

【健康上の理由】ホワイトニングを避けるべき方

ホワイトニングは歯を漂白する処置であるため、薬剤が人体に与える影響を十分に考慮する必要があります。患者様の安全と健康を最優先するため、特定の健康状態にある方にはホワイトニングをおすすめできません。これから、虫歯や歯周病、妊娠中など、健康上の理由でホワイトニングを避けるべき具体的なケースについて解説します。

虫歯や歯周病がある

治療されていない虫歯や歯周病がある場合、ホワイトニングの施術はできません。ホワイトニングで使用する過酸化水素などの薬剤が、虫歯によってできた穴や、歯周病で炎症を起こしている歯茎に浸透すると、激しい痛みやしみる症状を引き起こすリスクがあります。また、虫歯や歯周病が悪化する原因となる可能性も否定できません。

安全にホワイトニングを行うためにも、まずは虫歯や歯周病をきちんと治療し、お口の中を健康な状態に整えることが最も重要です。治療を終えてから、改めてホワイトニングについて歯科医師に相談するようにしましょう。

重度の知覚過敏がある

重度の知覚過敏がある方も、ホワイトニングの施術を避けるべきケースの一つです。知覚過敏とは、歯の表面を覆うエナメル質が削れたり、歯茎が下がったりすることで、象牙質が露出し、冷たいものや熱いものがしみたり、歯ブラシの毛先が触れただけで痛みを感じる状態を指します。

ホワイトニング剤は、象牙質にある非常に小さな管(象牙細管)を通じて歯の内部に浸透し、歯を白くします。しかし、知覚過敏がある歯にホワイトニング剤が作用すると、歯の神経への刺激が強くなり、症状がさらに悪化してしまう恐れがあります。ホワイトニングを行う前に知覚過敏の治療を行い、症状が落ち着いてから検討することが大切です。

妊娠中・授乳中である

妊娠中や授乳中の方へのホワイトニングは、安全性が確立されていないため推奨されません。ホワイトニング剤が胎児や母乳に影響を及ぼすという明確な科学的根拠は今のところありませんが、万が一のリスクを考慮し、積極的な施術は控えるのが一般的です。

これは、妊娠中や授乳中の女性に対する多くの医療行為に共通する予防的な考え方に基づいています。歯科医院では、患者様とお子様の安全を第一に考え、出産や授乳期間が終わってからホワイトニングを行うことをおすすめしています。

無カタラーゼ症や光線過敏症の方

無カタラーゼ症の患者様は、ホワイトニングの主成分である過酸化水素を分解する酵素「カタラーゼ」が体内に存在しない、または非常に少ないため、ホワイトニングを受けることができません。過酸化水素が体内で適切に分解されないと、体内に蓄積し、重篤な組織障害を引き起こす危険性があるためです。

また、光線過敏症をお持ちの方も注意が必要です。特に歯科医院で行われるオフィスホワイトニングでは、ホワイトニング剤の効果を高めるために特殊な光を照射することがあります。光線過敏症の方は、この光に反応して皮膚や粘膜にアレルギー症状や炎症が生じる可能性があるため、施術を避けるべきとされています。事前に必ず歯科医師に相談し、適切な判断を仰ぐようにしてください。

【歯の状態】ホワイトニングの効果が期待できない歯

ホワイトニングは、天然の歯の表面を覆うエナメル質に作用して歯を白くする施術です。しかし、歯の状態によっては、ホワイトニングの効果が期待できない、あるいは色のムラが生じてしまうことがあります。ここでは、人工歯、神経のない歯、生まれつきの変色など、ホワイトニングの効果が得られにくい歯の状態について詳しくご紹介します。

人工歯(詰め物・被せ物)

詰め物や被せ物、差し歯などの人工歯には、ホワイトニングの効果はありません。ホワイトニング剤は天然の歯にのみ作用し、セラミック、レジン(歯科用プラスチック)、金属などの人工材料の色は変化しないためです。そのため、周りの天然歯だけが白くなり、人工歯との色の差が際立ってしまい、かえって目立ってしまう可能性があります。

例えば、前歯に古い被せ物がある方がホワイトニングを行うと、被せ物の色が黄ばんで見え、不自然な印象を与えてしまうことがあります。この場合、ホワイトニングで天然歯が白くなった色に合わせて、新しく詰め物や被せ物を作り直すことで、歯全体のバランスを整えることが可能です。

ホワイトニングを検討する際には、お口の中に人工歯があるかどうかを確認し、もしある場合は、歯科医師とよく相談して治療計画を立てることが重要です。

神経のない歯(失活歯)

神経を失った歯、いわゆる「失活歯」は、通常のホワイトニングでは白くすることが非常に難しいです。失活歯は、虫歯が進行したり、外傷を受けたりすることで歯の神経が死んでしまい、歯の内部にある血液や組織が変性して、内側から徐々に黒ずんだり、グレーに変色したりすることがあります。

一般的なホワイトニングは、歯の表面から薬剤を浸透させて色を分解するため、歯の内部からの変色に対してはほとんど効果が期待できません。しかし、失活歯の変色に対しては、「ウォーキングブリーチ」という、歯の内部に薬剤を入れて漂白する別の治療法があります。

テトラサイクリン歯など、歯の内部からの変色

テトラサイクリン系抗生物質によって変色した歯、通称「テトラサイクリン歯」は、ホワイトニングで満足のいく白さを得るのが難しいケースとして知られています。これは、歯が形成される幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用したことで、歯の内部にある象牙質に色素が沈着し、特有の縞模様や濃いグレー、茶褐色の変色を引き起こすためです。

この変色は歯の表面の着色汚れとは異なり、歯の内部構造に深く関わるものであるため、一般的なホワイトニング剤では十分な効果が期待できません。表面的な漂白では色の改善が難しく、劇的な変化を望む場合は、セラミック治療などの別の方法を検討することが多いです。

エナメル質形成不全症の歯

エナメル質形成不全症の歯も、ホワイトニングには不向きな場合があります。エナメル質形成不全症とは、歯の表面を覆う最も硬い組織であるエナメル質が、生まれつき正常に形成されていない状態を指します。エナメル質が薄い、あるいは一部が欠けている、白濁や茶色の斑点があるといった特徴が見られます。

このような歯にホワイトニング剤を塗布すると、エナメル質が正常な歯と比べて薬剤が歯の内部に過剰に浸透し、強い痛みや知覚過敏を引き起こすリスクがあります。また、もともと色ムラがある歯の場合、ホワイトニングによってそのムラがさらに強調されてしまう可能性も考えられます。そのため、エナメル質形成不全症の歯を持つ方は、ホワイトニングを検討する前に、歯科医師による慎重な診断と相談が必要です。

ホワイトニング以外の方法で美しい歯を目指すには?

ホワイトニングが適応外と診断されたからといって、美しい歯を手に入れることを諦める必要はありません。歯科医院での専門的な治療から、ご自宅で実践できる日々のケアまで、歯を美しく見せるための選択肢は多岐にわたります。ここからは、具体的な解決策をいくつかご紹介しますので、ご自身の状況に合った最適な方法を見つけていきましょう。

歯科医院で受けられる専門的なクリーニング・治療

歯科医院では、ホワイトニング以外にも歯を美しく見せるためのさまざまな専門的な処置を受けることができます。歯の表面の汚れを徹底的に除去するクリーニングや、歯の色や形そのものを改善する治療法など、患者様の状態やご希望に合わせて最適な方法が提案されます。

PMTC(歯のクリーニング)で表面の着色を除去

PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医師や歯科衛生士が専門の機器やフッ素入りの研磨ペーストを用いて、歯に付着した汚れや着色、歯垢(プラーク)を徹底的に除去するクリーニングのことです。これは薬剤で歯そのものの色を白くする「漂白」とは異なり、歯の表面に付着した汚れを取り除くことで、歯本来の白さや透明感を取り戻すことを目的としています。

コーヒーや紅茶、赤ワインなどによる色素沈着、あるいはタバコのヤニといった表面的な着色汚れであれば、PMTCだけでも見違えるほど歯が明るくなり、お口全体の印象が大きく改善されることが期待できます。定期的にPMTCを受けることで、虫歯や歯周病の予防にもつながり、口腔内の健康維持にも効果的です。

セラミック治療(ラミネートベニア・クラウン)で歯の色や形を整える

セラミック治療は、ホワイトニングでは改善が難しい歯の色や形、さらには歯並びまでをも根本的に改善できる審美歯科治療です。代表的なものにラミネートベニアとセラミッククラウンがあります。ラミネートベニアは歯の表面をわずかに削り、その上に薄いセラミック製の板を貼り付けることで、歯の色や形、軽度のすきっ歯などを改善します。

一方、セラミッククラウンは歯全体を削り、その上からセラミック製の被せ物を装着する方法です。重度の変色歯や、歯の欠損、大きな虫歯治療後など、より広範囲な改善が必要な場合に用いられます。テトラサイクリン歯のように歯の内部から変色しているケースや、過去の治療で入れた詰め物や被せ物の色が気になる場合にも、非常に有効な選択肢となります。

セラミック素材は、天然歯に近い透明感と色調を再現できるため、自然で美しい仕上がりが期待できます。また、セラミックは吸水性が低く、色素沈着しにくいため、美しい白さを長期間維持できるというメリットもあります。

失活歯にはウォーキングブリーチという選択肢も

以前に触れた神経のない歯(失活歯)が内部から黒ずんで変色してしまった場合、一般的なホワイトニングでは効果が得られにくいとご説明しました。しかし、失活歯に対しては「ウォーキングブリーチ」という特別な方法で歯を白くすることが可能です。この治療法は、歯の内部に直接ホワイトニング剤を注入し、その薬剤を数日間とどめておくことで、内側から歯を漂白していくというものです。

ウォーキングブリーチの大きなメリットは、歯を大きく削って被せ物をするクラウン治療と比べて、ご自身の歯を温存できる点にあります。ただし、すべての失活歯に適用できるわけではなく、歯の根の状態や変色の度合いによっては適用できない場合もありますので、歯科医師との十分な相談が必要です。

自宅でできるセルフケア

歯科医院での専門的な治療だけでなく、ご自宅で毎日実践できるセルフケアも、歯の白さを維持したり、一時的に美しく見せたりするために有効な方法です。日々の習慣に取り入れることで、より健康で美しい口元を目指すことができます。

ホワイトニング効果のある歯磨き粉の活用

市販されている「ホワイトニング効果」を謳う歯磨き粉は、その多くが歯の表面に付着した着色汚れ(ステイン)を除去する仕組みになっています。研磨剤によって物理的にステインを落としたり、ポリリン酸ナトリウムなどの化学成分でステインを浮かせて除去しやすくしたりするものが代表的です。これらの歯磨き粉は、歯科医院で行うホワイトニングのように、歯そのものの色を漂白する作用はありません。

しかし、日々の飲食による着色汚れの予防や、歯科医院でのホワイトニング後の白さを維持するための補助的なケアとしては非常に有効です。過度な期待はせず、ご自身の歯の状態や目的に合わせて適切に選び、毎日の歯磨きに取り入れることをおすすめします。

歯のマニキュアで一時的に歯を白く見せる

歯のマニキュアは、歯の表面に白い塗料を塗ることで、一時的に歯を白く見せる方法です。例えるなら、爪のマニキュアのように、歯を白く「着色する」イメージです。歯を削ったり薬剤で漂白したりすることなく、手軽に歯の色を明るくできるため、短期間だけ歯を白く見せたい場合に適しています。

結婚式や記念撮影など、特別なイベントに合わせて一時的に歯の見た目を改善したい場合に有効な選択肢となります。ただし、持続時間は短く、食事や歯磨きによって剥がれやすいというデメリットもあります。また、時間が経つと変色することもあるため、その特性を理解した上で利用することが重要です。

日々の習慣で歯の白さを保つ

歯科医院での専門的な治療やセルフケアに加えて、日々の生活習慣を見直すことも歯の白さを保つ上で非常に重要です。毎日の少しの心がけが、歯の着色を防ぎ、口腔内を健康に保つことにつながります。ここでは、歯の白さを維持するために実践できる具体的な習慣についてご紹介します。

着色しやすい飲食物と食後のケア

歯の着色汚れは、日々の飲食によって蓄積されることが少なくありません。特に、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、醤油、チョコレートなどは、色素が濃く歯の表面に付着しやすい代表的な飲食物です。これらを完全に避けることは難しいかもしれませんが、いくつかの工夫で着色を最小限に抑えることができます。

例えば、コーヒーや紅茶を飲む際にはストローを使用したり、摂取後にはすぐに水で口をゆすいだりすることで、歯への色素の付着を軽減できます。また、食後すぐに歯磨きをする習慣をつけることも有効です。これらの小さな心がけが、歯の白さを維持し、美しい口元を保つことにつながります。

定期的な歯科検診の重要性

歯の白さを保ち、口腔全体の健康を維持するためには、自宅でのケアだけでなく、定期的な歯科検診が欠かせません。歯科検診では、自分では除去しきれない歯石や、歯磨きでは落としにくい頑固な着色汚れを、専門的な器具を使ってきれいに取り除くことができます。

さらに、歯科検診は虫歯や歯周病の早期発見・早期治療にもつながります。口腔内が健康な状態であることは、ホワイトニングを検討する上でも非常に重要です。歯科医師や歯科衛生士から、ご自身の歯の状態に合わせた適切な歯磨き方法やセルフケアのアドバイスを受けられることも、定期検診の大きなメリットと言えるでしょう。

まとめ:まずは歯科医師に相談し、自分に合った最適な方法を見つけよう

ホワイトニングは歯を効果的に白くする魅力的な方法ですが、すべての方が安全に受けられるわけではありません。健康状態や歯の質によっては、ホワイトニングが適さないケースがあることをご理解いただけたかと思います。虫歯や歯周病、重度の知覚過敏がある場合や、妊娠中・授乳中の方、特定の持病がある方は、施術を避けるべき重要な理由があります。

しかし、ホワイトニングができないからといって、美しい口元を諦める必要はありません。この記事でご紹介したように、歯科医院での専門的なクリーニングであるPMTCをはじめ、セラミック治療によって歯の色や形を根本的に改善する方法、失活歯向けのウォーキングブリーチなど、様々な選択肢があります。また、日々のセルフケアとしてホワイトニング効果のある歯磨き粉を活用したり、特別な日のために歯のマニキュアを試したりすることも可能です。

最も大切なことは、ご自身の歯の状態や健康状態を自己判断せず、まずは信頼できる歯科医師に相談することです。歯科医師は、あなたの口腔内の状況を正確に診断し、それぞれのメリットとデメリットを丁寧に説明した上で、あなたにとって最適な治療法やケア方法を提案してくれます。ぜひ一度、歯科医院を訪れて、美しい笑顔を手に入れるための第一歩を踏み出してみてください。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

高橋 衛 | Takahashi mamoru
岩手医科大学歯学部卒業後、岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座入局し、
医療法人 高橋衛歯科医院設立 理事長就任、MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS 開設

 

【所属】
日本歯科医師会
岩手県歯科医師会
盛岡市歯科医師会
歯科医師臨床研修指導歯科医
岩手県保険医協会
日本口腔外科学会
日本口腔インプラント学会
EUROPEAN ASSOCIATION FOR OSSEOINTEGRATION
AMERICAN ACADEMY PERIODONTOLOGY
岩手医科大学歯学会
デンタルコンセプト21  会員
日本歯科東洋医学会
JIADS Club  会員
P.G.I Club 会員
スピード矯正研究会  会員
床矯正研究会 会員
近代口腔科学研究会 会員


【略歴】
岩手医科大学歯学部 卒業
岩手医科大学歯学部口腔外科第二講座 入局
「高橋衛歯科医院」 開業
「MAMO IMPLANT CLINIC MALIOS」 開業

 

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