入れ歯の6ヶ月ルールについて知りたいと悩んでいませんか?
この記事では「入れ歯の6ヶ月ルール」について紹介していきます。
他にも「入れ歯が合わなくなってしまう原因」や「合わない入れ歯を使用し続けるリスク」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、入れ歯の6ヶ月ルールについて理解を深めてみてください。
入れ歯の6ヶ月ルールとは?
保険診療において入れ歯を作る際には、一定のルールが定められており、前回の入れ歯の製作開始時の歯型取りの日を基準に、その後6ヶ月以内には新たな入れ歯を作ることができません。
歯型を取った日から6ヶ月経過すれば新しい入れ歯の製作が可能です。
例えば、4月1日に歯型を取った場合、次の入れ歯の製作は10月1日以降になり、部分入れ歯でも総入れ歯でも適用されます。
また、歯科医院を変更した場合でも同様で、前の医院で歯型を取ってから6ヶ月経過している必要で、保険者証には歯型を取った日が記載されます。
しかし、以下のような場合には、半年経過していなくても新しい入れ歯を作り直すことができます。
- 入れ歯が損傷した
- 入れ歯が紛失した
- 抜歯が必要になり、歯の数が変わった
- すでに入れ歯だけが作製されているが、下の入れ歯も作りたい場合。
- 自費で入れ歯を作成する
上記のように、入れ歯の6ヶ月ルールの例外が許可されることがあるので、事前に歯科医院に確認をしておくことをおすすめします。
調整の場合は6ヶ月以内でも治療可能
保険診療の入れ歯治療では、6ヶ月以内でも噛み合わせの調整は可能です。
入れ歯の保険適用の範囲では、6ヶ月以内に新しい入れ歯を作り直すことはできませんが、痛みがあったり、噛みにくいなどといった問題がある場合には調整は可能です。
実際に、入れ歯は装着直後に完全に合うかどうかはわからないのも事実です。
特に痛みは、装着後の最初の週に発生しやすいです。
入れ歯の調整は個人差がありますが、通常は4〜6回の調整が必要になるケースもあります。
不適切な入れ歯を使い続けると口内を傷つける可能性があるため、少しでも違和感がある場合には、なるべく早く歯科医院に相談しましょう。
入れ歯を作り直す時の費用相場
入れ歯を作り直す時の費用相場について、保険適用か適用外によって費用が大きく異なります。
以下にて、入れ歯を作り直す時にかかるそれぞれの費用相場を紹介していきます。
保険適用
保険適用で入れ歯を作り直す費用相場は、5,000円から10,000円程度かかります。
初回の入れ歯作成時に支払った費用と同程度と見積もられますが、部分入れ歯の場合は作成する大きさによって費用が異なります。
具体的には、以下のような要因が影響しています。
- 入れ歯の種類
- 素材
- 修復が必要な範囲
- 歯科医院の料金設定
上記のように、最終的な費用は、入れ歯の状態や再製作の必要性、治療方針などによって異なります。
入れ歯を再製作する際には、歯科医師と相談し、費用や保険適用について詳細を確認することが重要といえるでしょう。
保険適用外
保険適用外で入れ歯を再製作する場合は、一般的に15万円から100万円程度の費用がかかります。
しかし、歯科医院の価格設定や素材、デザインによって費用が大幅に変動することがあります。
具体的には、以下の項目によって費用が多く異なります。
- 材料費
- 技工費
- 診療費
- その他費用
保険が適用されない場合は、通常よりも入念な作業が必要とされるため、費用が高額になることもあります。
このように、保険適用外で入れ歯を作製するには、100万円を超える費用がかかるケースもあります。
入れ歯が合わなくなってしまう原因
入れ歯が合わなくなってしまう原因を把握することによって、入れ歯が合わなくなってしまうリスクを減らすことにもつながります。
具体的に、入れ歯が合わなくなってしまう原因については、以下があります。
- 頬の骨が痩せてしまった
- 入れ歯の経年劣化
- 入れ歯に汚れが付着したもの
それぞれの原因について解説していきます。
頬の骨が痩せてしまった
顎の骨が痩せてしまうと、入れ歯のフィット感が失われてしまい、入れ歯が合わなくなってしまう原因となってしまいます。
基本的に、入れ歯は主に顎の骨によって支えられていますが、骨が減少するとその支持力が弱まります。
顎の骨が痩せてしまう現象は、入れ歯によって顎の骨への刺激が減少することによって引き起こされてしまいます。
自然な歯がある場合では、咬み合わせによる刺激が顎の骨の健康を維持しますが、入れ歯を使用するとこの刺激が不足し、結果的に顎の骨や歯茎が減少してしまうのも事実です。
さらに、加齢や健康上の問題も顎の骨の減少を促進してしまいます。
そのため、入れ歯が最初は適合していても、時間とともに顎の骨の減少によって適合が悪くなってしまうケースも少なくありません。
入れ歯の経年劣化
入れ歯は、食事などで使うたびに摩耗し、経年劣化によって入れ歯が合わなくなってしまうケースもあります。
保険の入れ歯でも自費の入れ歯でも同様です。
ただし、保険の入れ歯の素材は自費のものよりも劣化しやすいため、長期間の使用には向きません。
入れ歯が劣化すると、噛み合わせが悪くなり、すぐに外れてしまうなどの問題が起きてしまうので、定期的なメンテナンスや入れ歯の交換が必要です。
入れ歯に汚れが付着したもの
入れ歯も自然歯と同じように、食事によって食べカスや汚れが付着し、その汚れによって入れ歯が合わなくなってしまう可能性もあります。
入れ歯に付着した汚れは、最初は柔らかいためすぐに洗い流すことができますが、2〜3日経つと唾液の影響で硬い歯石に変化してしまいます。
実際に、歯石になってしまうと歯ブラシでこすっても除去できません。
入れ歯の歯茎に歯石が沈着すると、歯茎と入れ歯の密着度が低下し、入れ歯が外れやすくなったり、噛むことが難しくなったりする可能性があります。
また、入れ歯に歯石が付着すると、見た目が気になったり、口の中の細菌が増殖したりするリスクがあります。
このように、普段から入れ歯に汚れが付着しないように、食事の後は入れ歯のケアを欠かさずおこないましょう。
合わない入れ歯を使用し続けるリスク
合わない入れ歯を使用し続けるリスクについては、以下があります。
- 口の機能が衰えてしまう
- 残っている歯に負担がかかる
- 顎の骨に負担がかかる
- 歯茎に負担がかかる
それぞれのリスクについて解説していきます。
口の機能が衰えてしまう
合わない入れ歯を使用し続けてしまうと、食事や会話などの機能に支障をきたし、口腔機能の低下につながります。
口腔機能とは、適切に食べ物を咀嚼し、摂取したものを飲み込むだけでなく、人と円滑にコミュニケーションを図る能力も含まれます。
また、口の機能は、食べ物をしっかりと咀嚼し、摂取したものを飲み込むだけでなく、言葉を発して他者とコミュニケーションを取る能力も含まれます。
実際に、入れ歯が合わない場合は、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 食事の制限
- 言語の障害
- 口腔の健康問題
- 心理的影響
これらの問題は、口の機能が衰えることによって引き起こされる可能性があり、入れ歯や口腔の健康に関する問題には適切な対処が必要です。
さらに、入れ歯が度々外れたり、咬合がうまく合わなかったりすると、口腔機能の低下だけでなく、ストレスも引き起こし、全身の健康にも悪影響を及ぼす恐れがあるので、注意が必要です。
残っている歯に負担がかかる
入れ歯を使用していると、入れ歯が合っているかどうかに関係なく、残っている自然歯に負担がかかりやすくなります。
総入れ歯であれば問題ありませんが、部分入れ歯を使用すると、入れ歯が歯ぐきや隣接する自然歯に支えられることになり、残っている自然歯に大きな負担がかかってしまいます。
例えば、入れ歯が合っていないと、咬む力や噛む動作が不均等になってしまい、歯に過度の圧力がかかってしまいます。
また、適切な支持がなければ、入れ歯が不安定になり、口内の摩擦や歯ぐきへの圧力が増加する可能性があるのも事実です。
最悪の場合には、自然歯の周囲の組織や骨がダメージを受け、歯の寿命が短くなってしまうケースもあります。
このように、、入れ歯の適合性や安定性は非常に重要であり、適切なケアと定期的な検診が必要です。
顎の骨に負担がかかる
入れ歯が合っていない状態だと、食事がうまくできず、顎の骨に刺激がうまく伝わらず、結果的に顎の骨が弱ってしまう要因となってしまいます。
顎の骨が弱くなると、歯茎も薄くなり、入れ歯の支える部分が少なくなり、入れ歯のフィット感がさらに悪化する可能性があります。
また、噛み合わせの悪い入れ歯を使い続けると、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こしてしまうリスクも高くなってしまいます。
例えば、入れ歯が片側の奥歯の場合だと、噛み合わせが悪い入れ歯で噛むことを避け、もう片側の歯だけで噛んでいると噛み合わせのバランスが崩れたり、顎の骨が変形したりする可能性があります。
また、顎関節症が引き起こされると、口だけでなく、頭や肩、首など全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、合わない入れ歯を使い続けることは口だけでなく全身にも悪影響を及ぼす可能性があるので、早めに歯科医院を受診して相談するようにしましょう。
歯茎に負担がかかる
合わない入れ歯を使用し続けてしまうと、歯茎に過度な負担がかかってしまうリスクも高いです。
実際に、歯茎に過度な負担をかけてしまうと、柔らかくふくらんだ歯茎の「フラビーガム」になってしまいます。
フラビーガムは、入れ歯との間に余分な隙間ができてしまい、適合が難しくなり、入れ歯の密着性が損なわれ、使用が困難になることがあります。
さらに、新しい入れ歯を作成しようとしても、腫れた柔らかい歯茎は形状が変化しやすく、型取りが難しくなるので、精密な入れ歯を作成するのが難しくなる可能性があります。
そのため、フラビーガムの状態で入れ歯を使用したい場合には、不適切な歯茎の一部を切除する必要が出ることもあります。
このように、合わない入れ歯を使用し続けてしまうと、入れ歯が適合しなくなるだけでなく、新しい入れ歯の作成も妨げられる可能性があるので、使用を控えるようにしましょう。
入れ歯が合わない時の対処方法
入れ歯が合わない時の対処方法については、以下があります。
- オーダーメイドの入れ歯を作製する
- セカンドオピニオンを視野に入れておく
それぞれの対処方法について紹介していきます。
オーダーメイドの入れ歯を作製する
保険適用範囲外の入れ歯では、一人ひとりの口の形に合わせてオーダーメイドで作ることができるので、保険適用の場合に起こりやすい問題を解決できる可能性が高いです。
保険適用の入れ歯は素材や製造方法に制約が多く、装着者の口の形に最適なものを製作するのが難しいのも事実です。
また、保険適用の入れ歯には、素材や製造方法は、口の状態に応じて異なる基準があります。
そのため、制約のある保険適用の入れ歯では、噛み合わせが悪かったり、噛む際に痛みが生じるなどの問題が生じやすいです。
このような症状を改善するためには、一人ひとりの口の形に合った入れ歯をオーダーメイドで作ることで解決することにつながります。
セカンドオピニオンを視野に入れておく
入れ歯が合わない原因として、歯科医の技術力のケースがあるので、セカンドオピニオンを視野に入れるのもおすすめです。
実際に、歯科医ごとに得意な診療科目が異なるので、現在治療を受けている歯科医院が必ずしも入れ歯に最適な治療であるとは限らないのも事実です。
また、同じ入れ歯の治療方法でも、担当する医師の経験や技術、見解などが異なることがあります。
現在使用している入れ歯に不満がある場合は、セカンドオピニオンを検討するようにしましょう。
自分に合った入れ歯を使用しよう!
今回は、入れ歯の6ヶ月ルールや入れ歯が合わなくなってしまう原因について紹介しました。
入れ歯の6ヶ月ルールとは、前回の入れ歯の製作開始時の歯型取りの日を基準に、その後6ヶ月以内には新たな入れ歯を作ることができないことです。
また、入れ歯が合わなくなってしまう原因については、以下があります。
- 頬の骨が痩せてしまった
- 入れ歯の経年劣化
- 入れ歯に汚れが付着したもの
今回の記事を参考にして、入れ歯の6ヶ月ルールについて理解を深めてください。